BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

僕とBlueskyの10ヶ月。次世代分散型SNSの明日はどっちだ!

本日ついにBlueskyの招待制が廃止され、誰でも登録可能な一般公開フェーズに突入した。実質的にβテスト状態も終わりに近づいていると言っていいだろう。日本人ユーザーの大量流入も観測され、X(Twitter)で見慣れた「いつメン」のアイコンも急速に増えており、クラスタレベルでの移動も夢ではない状況となってきた。

この状況で生まれるユーザーの期待はもちろんX(Twitter)代替サービスとなるのは想像に難くない。しかし幸運にも10ヶ月前からBlueskyで細々と活動してきた知見を踏まえると、いつものBluesky運営の期待値コントロール失敗が顕在化するのではと、ワクワクじゃなかった、そこはかとない不安が止まらないというのが正直な感想ではある。

まあせっかくの機会なのでこの10ヶ月のこの次世代分散型SNSで過ごした起きたこと、感じたこと、現状への不安と今後への期待を書き残しておきたい。

新規登録、ここはあの日のTwitter

私がBlueskyにログインしたのは今から10ヶ月前、2023年4月6日であった。全ユーザー数は2万人にも満たなかったと記憶している。印象的だったのはログイン翌日に都内某所で行われていたBluesky運営とのMeet upイベント。開発メンバーとの距離感、自由なAPI利用によるサードパーティサービスの熱量、その距離感は確かに初期Twitterを思わせる雰囲気で、モバツイからテンキーを叩いていたSNSの原風景が広がっているかのように思えた。

bsky.app

だがしかしBlueskyのアーキテクチャを理解し少しの間使っていると、その居心地の良さは「招待制」という防壁が担保している脆弱なサービスであることを実感させられた。

Blueskyを通じて改めて感じた既存SNSの弱点

見た目はまるでTwitter、でも機能は貧弱!なBlueskyを使ってしばらくして痛感したのは、果たしてこの分散型SNSアーキテクチャはいったい既存SNSのどの課題を解決するための仕組みなのだろうという疑問であった。

既存SNSの最大の問題は人間の認知の限界を超えた情報量が取り扱われていることに尽きると考えている。もう少し具体的に言えば「人間の記憶できる時間を超えて出力した情報に一貫性を求められること」「自分の発信した情報が届けたい相手、範囲を超えて無限に拡散し、想定外相手に届いてしまうこと」「標的になった場合にbotも含めた、1:Nのコミュニケーションを強いられてしまうこと」の3点である。

bsky.app

bsky.app

bsky.app

現実世界においてはそれは物理的な距離や社会における建前によって、認知と情報の齟齬はある程度抑えられてきた。しかしSNS(≒インターネット)はその壁を軽々と取り払ってしまった。もちろんそれによるメリットは多々あるが、ことSNSというサービスの現状においては、デメリットが色濃くでてしまっている。1つ1つは取るに足らない投稿が、世界中の人の目に触れ拡散する。逆に一度標的となると世界中が敵になった感覚に陥る。人間は矛盾し、変化する生き物であるのにSNSでの過去の投稿との整合性を求められ、キャンセルを強いられることもままあるのが現代である。

少なくとも初期、そして現状のBlueskyはこの課題に答えている、応えようとしているというには難しい。解決できているように見えるとすれば、それは単純にユーザー数の少なさにおける情報量の少なさによるものである。この10ヶ月間、何度か起きた一斉新規参入のタイミングで、ローカルルール、使い方指南が何度も再燃するのもその証左と言えるのではないだろうか。

次世代SNSに求める要件、分散型SNSが抱える矛盾

ではこの課題を解決するための処方箋、次世代SNSに求められる要件とは何だろうか。正解はないが、人間の認知の限界に正直に向き合うことが何より重要なのではないかというのが、Blueskyを触って初期に感じた感想である。決して無責任な分散型SNSの構築ではない。聞いているか?ジャックドーシー!それはさておき整理すると下記の4点である

  1. 自分が発した情報をどう見せるか、投稿の更新・削除・参照の投稿者権限によるデータコントロール
  2. 自分が見たい情報をどう見るか、運営ではなく自分でフィルタ、モデレートできる閲覧者権限によるデータコントロール
  3. 自分が見たい情報を横断的に検索し、法的に問題のある投稿を自由に見せない運営者権限によるデータコントロール
  4. アカウントの無制限な増加、捨てアカウントを抑制する本人認証(not 実名性)などによる運営のアカウントコントロール

実際に現状のBlueskyがこの要件をどこまで満たしているのか?とつらつら考えると現状では2と4に特化しており、1と3については、道半ばと言わざるを得ないのではないかというのが、2024年2月時点での率直な感想である。

bsky.app

bsky.app

bsky.app

bsky.app

確かに今後予定されているPDSの分散、モデレーションの個別設定により緩やかな連合が構築され、2については解決に向かう可能性は高い。今回の招待制廃止にあわせて電話番号認証が導入されたことで、ある程度4も見込めるであろう。

一方で原則的に公開を是とするBlueskyのアーキテクチャではブロック、リプライ制限は導入されたとはいえ、DM・鍵アカウントはまだ未定であるように、投稿した内容を「誰に」「どうやって見せるか」、1についての設計思想は貧弱であると言えよう。また情報の横断的な検索を可能とする機能や、法的な責任を負うには中央集権的な運営を続ける覚悟とマネタイズが必須となるが、これまでの強権的・インテリ前提の運営実績と、ドメイン販売だけではかなり心許ないものがある。そもそも分散型思考した時点で3,4に関して相性が悪すぎるのである。

理想を言えば、世界をまたいだ運営がデータ管理・マネタイズを保証したなかで、各国の法律レベルのモデレーションを第一階層、PDSレベルのモデレーションを第二階層、個人レベルのモデレーションサードパーティー含めたクライアントで実装するというような形になってくることだろうか、流石に壮大すぎて現実味がない。そこまで夢を広げなくても、現状のフィードの重さ、ユーザーの運営への期待はスケーリングに不安を残している状態である。

bsky.app

bsky.app

bsky.app

bsky.app

シビアな話ではあるが、現状のBlueskyは在りし日のTwitterの全盛期を代替しない。そのデータを公開する態度を考えれば、ある意味生成AIのための学習もやり放題、一度トラブルに見舞われたら運営に頼ることができない、自分で自分の発言をコントロールし続ける意識をしなければならないモヒカン蔓延るSNSなのである。

それでもBlueskyに期待をする理由

かようにBlueskyはまだまだ未発達で、期待値コントロールが苦手な運営が誤魔化し誤魔化しやりくりしているSNSに過ぎない。在りし日のTwitterを思わせるかもしれないその雰囲気もあくまで、ユーザー層の少なさに担保されている部分が大きい。それでも現状のSNSにおいて、アーキテクチャレベルでSNSの課題を解決しようという気概をもった唯一のサービスであると言っていいだろう。願わくば開発者の満足に終わらない分散型SNSとして設計が進み、課題解決がローカルルールを必要としないレベルまで機能として実装されることで、必要以上に燃えない、訂正可能性を赦す、そしてSNSのダイナイズムを失わない適切な誤配をSNSに昇華されること。何より持続可能性のあるマネタイズ、分散管理のインセンティブを十分に感じられる仕組みになることを願いたい。強い気持ち・強い金!

最後にお知らせ

Blueskyに早めに乗り込んだことで下記のアカウント、フィードを運用している。競馬ニュースの閲覧、競馬、ウマ娘クラスタ探しの一助になると思うので、是非ご利用いただければ。

bsky.app

競馬フィード

ウマ娘フィード

J1サッカースタジアムの芝の種類と管理方法をまとめてみた

今年の夏の猛暑は様々なところに影響したが、サッカースタジアムもその影響を大きく受けたニュースが散見された。特にこれまでピッチの状態の良いイメージのあったデンカビッグスワンスタジアム等々力陸上競技場の状態悪化は、なかなかにインパクトのあるニュースであった。そういえば、はるか昔の話となるが、当ブログでは過去に競馬場の馬場研究特集を行ったことがある。

yuta0210.hatenablog.com
yuta0210.hatenablog.com
yuta0210.hatenablog.com
yuta0210.hatenablog.com
yuta0210.hatenablog.com
yuta0210.hatenablog.com

そこで今回はサッカースタジアムに関するピッチの整理を行ってみた。約20年ぶり!の芝調査コラムをどうぞ。

サッカースタジアムのピッチの種類

天然芝

  1. 寒地型芝
・競馬場で言うところの洋芝をベースにしたピッチ
。主な品種はケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスなど。チモシーなどとあわせて、放牧地に撒かれる品種としても有名。
  2. 暖地型芝
・競馬場で言うところの野芝をベースにしたピッチ。
競馬場で野芝の品種と言えばエクイターフだが、サッカースタジアムで使われるのはティフトン419やセレブレーション、シーショア・パスパラム改良型など。

ハイブリッド芝(上記の天然芝に人工芝をあわせた芝)

  1. 打ち込み式(ステッチ式)
・天然芝に人工芝繊維を9−18cm打ち込む。地上部は11−20cm。人工芝の割合は5%以下。
人工繊維が芝の根と絡むことで強度が増加。すり切れにも強い。排水性が向上する。
  2. カーペット式
・底面にベースの基布と一体となった人工芝を敷き、その上に床砂を乗せて、芝を播種する。地盤から4−4.5cmの基布層と6.5cmの地上部。人工芝はの割合は5%以下。
人工繊維が芝の根と絡むことで強度が増加。張り替えが容易。すり切れには少し弱い。

基本的には上記の4パターンのどれかがサッカースタジアムに採用されている。ただし暖地型芝の天然芝ピッチは、競馬場と同様に冬の間は寒冷型芝をオーバーシードすることで、芝を緑に保ち、保全していることが多い。

J1サッカースタジアムの芝管理状況

札幌ドーム

天然芝/寒冷型芝
品種:ケンタッキーブルーグラス3品種、ペレニアルライグラス
工法:巻き取り型
・北海道ということもあって、札幌、函館競馬場と同様に寒冷型芝オンリー。ドームということもあって、巻き取り型で芝の張り替えを行っている。
https://www.sapporo-dome.co.jp/dome/hirobajournal/2023/04/03/7689/

カシマスタジアム

天然芝/暖地型芝
品種:シーショア・パスパラム改良型
工法:巻き取り型芝
・暖地型芝でオーバーシードを行わないのは実はカシマスタジアムだけ。ただし歴史が浅いため、今後オーバーシードに替わる可能性もありそう。シーショア・パスパラム改良型を採用しているのも唯一。
https://number.bunshun.jp/articles/-/830124

埼玉スタジアム2002

天然芝/寒冷型芝
品種:ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラス
工法:植え込み型
・本州のサッカースタジアムにしては珍しい寒冷地型芝。ただしピッチの中に温水・冷水を流す地温コントロール施設があることで、ピッチが保たれていると思われる。
https://www.stadium2002.com/stadium_4.html
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/148576/saisutasiba_siryou3.pdf

柏スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
・詳細不明。柏はそういうとこだぞ。

味の素スタジアム

ハイブリッド芝(打ち込み式)
・詳細不明。最近変わってる。
https://mainichi.jp/articles/20190802/k00/00m/050/170000c

等々力陸上競技場

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:ティフトン419/インターメディエイトライグラス(ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスの交配種)
工法:植え込み型
・いつもピッチ状態が良いイメージだった等々力競技場だが、今年は芝管理に苦戦した様子。今年から等々力競技場改築を踏まえて管理が「川崎とどろきパーク株式会社」に替わったとのことで、湘南造園の支援の元で芝の張り替えを実施。
https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/2023082500058-spnaviow

日産スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:ティフトン419/ペレニアルライグラス
・経緯があって、わかりにくかったが2019年のラグビーW杯に向けて、いったんハイブリッド芝を採用したものの、日本陸連の検定を継続するために、天然芝に戻した模様。ハイブリッド芝だったころはカーペット型を採用していた。
https://www.nissan-stadium.jp/stadium/sportturf_type.php
https://www.nissan-stadium.jp/stadium/sportturf_hybrid.php

ニッパツ三ツ沢球技場

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:ティフトン419/ペレニアルライグラス
https://www.nippatsu-mitsuzawa.com/outline.html

レモンガススタジアム平塚

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
・詳細不明だが、湘南造園が担当していることもあるので、恐らく等々力競技場と同じ品種と思われる。

デンカビッグスワンスタジアム

天然芝/寒冷型芝
品種:ケンタッキーブルーグラス・ペレニアルライグラス・トールフェスク
・現在大問題となっているデンカビッグスワンスタジアムは寒冷型芝のみ。新潟競馬場が暖地型芝で夏に素晴らしい馬場状態を保っているだけに、正直寒冷型芝が採用されていることには衝撃を受けた。積雪地帯であることから、寒冷型芝を採用していると思われるが、今後ますます厳しくなる日本の夏を埼スタのような地温コントロールなしに乗り切るのは難しそう。早々に暖地型芝にオーバーシードに切り替えるべきではないだろうか。
https://www.denka-bigswan.com/guide/outline.html

豊田スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:コウライシバ/ライグラス
工法:ビックロール工法
・2023年11月に行われる世界ラリー選手権のために、一時的に芝を剥がして舗装するらしい。芝管理担当者だったら発狂しそうなイベントである。
http://toyota-stadium.co.jp/images/stadiumlife_plus_summer_2020/pageindices/index3.html#page=3

サンガスタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:セレブレーション
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/434167/041600178/?P=3#:~:text=京都府は芝生の,を1.2m高くした%E3%80%82

パナソニック スタジアム 吹田

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:不明
https://reibola.com/column/post2086/

ヨドコウ桜スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:不明
https://www.cerezo-sportsclub.com/news/?id=104080

ノエビアスタジアム神戸

ハイブリッド芝(打ち込み式)/寒冷型芝
品種:ケンタッキーブルーグラス・トールフェスク
・以前は芝状態の悪さで有名だったノエビアスタジアム。ハイブリッド芝になって、多少マシになった気がするが、結構滑る選手が多くて怖い印象。
https://www.kobe-np.co.jp/news/odekake-plus/news/detail.shtml?news/odekake-plus/news/pickup/201802/10985223

ベスト電器スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
品種:不明
https://www.midorimachi.jp/images/book/160531173228747.pdf

駅前不動産スタジアム

天然芝/暖地型芝にオーバーシード
種:ティフトン419/ペレニアルライグラス
https://www.city.tosu.lg.jp/soshiki/12/1150.html

以上が、2023年のJ1チームのホームスタジアムの芝事情となる。このように眺めてみると、本州においてはやはり暖地型芝ティフトン419にペレニアルライグラスをオーバーシードするのが王道と言えるとであろう。そう考えると、現状のデンカビッグスワンスタジアムはそもそも寒冷型芝を採用しているところに難点があるため、行政も一体となった改善が必要となると思われる。あと西に行くほど情報が少なかったのは謎。地域性だろうか?

ともあれ競馬場ほどの広さはないとはいえ、サッカースタジアムにおいては屋根などの日照、通風の問題も存在するため、芝生の管理は難しいことに変わりはない。今後荒れたピッチでの試合に遭遇したら、頭の片隅に本記事を思い浮かべて、荒れ馬場の原因と管理者の苦悩にも思いをもっていただければ幸いである。

【第90回東京優駿回顧】残酷なダービーのテーゼとその栄光と

このブログを読んでいただく方はご存じの通り、今年の2月からはサークル芯力にて、毎週レース回顧をスペースで配信&noteに文字起こし中。ということで、レース分析的な回顧は下記で語り尽くした形。

note.com

note.com

というわけで補足というか、分析にならない感想などはこちらに。

今年のダービー、やはりアクシデントが多く発生してしまったというのが見終わった後の、最初の初巻で、何もダービーでこんなことにというのが素直な気持ち。ただダービーというのはやはり競馬の夢であり、そこにはほかのG1にはない「強い想い」が賭けられているわけで。だからこそドウデュースのような、コントレイルのような感動もあるわけだが、ファンの夢を砕くような競馬史に語り継がれる敗北もハイセイコーの時代からダービーと相場は決まっている。そういう極限の勝負で行われるレースだからこそ、語り継ぐことの必要性が改めてあるのかなと。

去年からブレイクしたドゥラエレーデの落馬。スキルヴィングの事故。またしても2着に終わった横山武史の蹉跌。タスティエーラの勝利以上に、ファンの心に重い事実を残してしまったダービーはあるだけれど、それでもなお来年のダービーこそはという狂気こそがダービーをダービーたらしめる。そういう意味ではコントレイルのダービー回顧で書いたような新時代の予兆は強制的な新陳代謝が生まれる種牡馬界においては成し遂げられたものの、坂井瑠星、横山武史という次世代のホープを勝たせるまでには至らなかったのかなというのは、ある意味ダービーだからこそ残る物語。

yuta0210.hatenablog.com

令和の競馬ブームの中で比較的「キレイな競馬」が見せられてきたこの数年を考えると、相当に厳しいレースになってしまったのだけど、やはり「それでも」と競馬を語るのが、ブームをブームで終わらせない1ファンのできることなのかなと改めて思った次第。

なおレース分析について、補足すると丸田、戸崎に対してはそれぞれ6着、7着と入っているので、特に丸田騎手にスローを演出したこと自体は非がなかったとは思う。マインドユアビスケッツ産駒で距離不安あったし。とはいえ、アクシデントが2つ重なってしまったことで、レースレベルがガタ落ちしてしまったというところはあり、そういう意味で馬が騎手が悪いというよりは、距離不安のある2頭がスローの逃げ馬の2番手グループに入る、しかも強い馬が動けないというある意味負の連鎖の一部を担ったというところ。まあシーズンリッチの戸崎は、ドゥラメンテ産駒ということ考えるとそれでよかったのかは、若干疑問はあるのだけど。その辺含めて、「タスティエーラの勝利自体にケチを付ける部分は全くないが、もっと実力が出し切った『映える』レースを期待してたので残念。ただそういうことが起きるのもダービーだよね」というところで、レース後の感想は落ち着いた形。まあしかしサンデー、キンカメのいないダービー。まさに戦国時代ではあって面白いけど難しいですね…。

2023-2024POG開催のお知らせ

今年も例年通りの開催です。

参加募集

まずは前年度参加者の参加意思を確認します。Twitterにてご連絡ください。5/28までに連絡がない場合は不参加扱いとなります。その後新規参加者を募集します。

賞金ルールについて

POGスタリオンに準じて、海外成績は算入されません。

1部2部の区分けについて

1部の下位7位〜10位は自動降格。2部の1位〜4位は自動昇格。1部の6位、2部の5位はポイントが上位の1名を1部とします。次シーズンに不参加者が出た場合は基本順位を繰り上げて対応する方針ですが、1部10人、2部10人とするために場合によって、昇格者や降格者が増える場合もあります。

ドラフト

1部はリアルタイムドラフトのつもりです。参加できない人は代理を立ててください。2部はリスト提出制です。原紙はこちらから。締め切りは6月3日0時00分です。宛先はbrainsquallあっとgmail.comへ。2部は6月3日21時から、1部は22時からドラフト(他参加者と同順位競合分のじゃんけん)を行います。実況方法はTwitterのスペースです。2部についてはメールで5回分のじゃんけんを5セット送ってもらってこちらで結果を調べる形です。例:ぐーぱーぱーちょきちょき (これを5セット分送ってください)
じゃんけんに負けた場合はリストの下順位の指名馬が繰り上がります。これを各参加者のの持ち馬が10頭ずつになるまで繰り返します。
注意点1:ドラフトには参加せずにいることは可能ですが出来るだけ参加ください。
注意点2:万が一リストの持ち馬が尽きてしまったときはその場で追加していただくことになります。いない方は後回しにされ、後日指名されていない馬の中から選ぶことになります。
提出リストに鍵かけたい方はどうぞー。

参加者一覧(前年度)

1部

1-1.urisan_uma
1-2.ryz
1-3.kokuo_
1-4.shadow_rockin7
1-5.black_altair
1-6.kohi_k2(16335P)
2-1.samidare0
2-3.j_relaunch
2-4.karasi_gj
2-5.maybaelectric

2部

1-7.airedale
1-8.chabata_k
1-9.sripura
1-10.yuta0210
2-6.sweep611
2-7.katuryoku
2-8.niftyheart
2-9.sunnydayturf
2-10.americanbosss
新規.horsaholics

【第67回有馬記念回顧】令和の競馬ブームが「まつり」から「日常」に変わりつつある新時代を象徴する圧勝劇

2016年以来のクリスマス開催となった有馬記念。まだまだコロナ禍が過ぎ去ったとは言えないながらも、徐々に姿を取り戻した世相と令和の競馬ブームを背景に、一気に客層が若返った中山競馬場に相応しい豪華メンバーが揃った一戦となった。

1番人気はイクイノックス。天皇賞秋を絶望的な位置から素晴らしい末脚で差しきった能力に加えて、枠順の有利不利が大きい中山芝2500でまずまずといえる5枠9番を獲得。中間の調教も素晴らしいというしかない万全の状態で、皐月賞以来の中山競馬場への参戦である。一方2番人気に推された古馬の総大将タイトルホルダーは負荷の掛かる馬場を走らされた凱旋門賞以来という状況に加えての昨年に続く外枠13番。展開的には主導権を握れそうなメンバーながら、自分の形に持ち込めるかは微妙な立ち位置。3番人気には母ジェンティルドンナとの母子制覇を目指すエリザベス女王杯の勝ち馬ジェラルディーナ。4番人気には相手関係は手薄だったものの、芝に転向して一気にジャパンカップを制したヴェラアズール。スランプから脱出できない昨年の覇者エフフォーリアが5番人気。その後に強いと言われる3歳世代のボルドグフーシュとジャスティンパレスが続いた。

事前の予想は上記のTwitterに投稿したとおり、適性&外枠&体調に難がある古馬牡馬勢は軽視。タイトルホルダーをイクイノックスが潰したところに、3歳牡馬と牝馬が突っ込んでくる展開を想定してレースを迎えた。

定番となってきたJRAの煽りVTR、観客の戻った師走の有馬記念らしい雰囲気を背にファンファーレが鳴り響くと、スムーズにゲートイン。2022年も有馬記念の幕が開いた。まず想定外に出遅れたのがジェラルディーナ。せっかくの内枠をゲットするも勿体ない安めのスタート。ボルドグフーシュも事前の有馬記念分析で鞍上の福永祐一が危惧していた通り、先生のスタートの腕をもってしても、二完歩目でダッシュがつかず後方からの競馬となった。若干馬券的には頭を抱えつつ、前に目を向けるとタイトルホルダーは注文通り押して押してハナへ。ごちゃつく内枠・先行勢を尻目に好スタートを決めたイクイノックスはスッと位置を下げて、エフフォーリアの後ろに収まった。憎いほどの落ち着きでルメールが最初のコーナーをやり過ごすと1周目のスタンド前で隊列は固まる。タイトルホルダーはそれほど無理せずに単騎の逃げに持ち込むも、先頭から殿までそれほど差はない状況で1コーナーを回ると前半の1000mは1.01.2。タイトルホルダーが後続に脚を使わせるというには若干遅い流れで向こう正面に入ると、そのまま更にペースは12秒台後半から13秒台で刻まれる。我慢の展開となったところで目立ったのがイクイノックス。ともすれば調子の良さゆえに行きたがってスタミナロスが考えれた場面だが、そこはルメール、柔らかい扶助と手綱捌きで一呼吸我慢させる。そして残り1000mを過ぎたところで一気にレースが動く。コーナーでセーフティーリードを確保したいが、体調もあってか手応えほどに加速しきれないタイトルホルダーを尻目にイクイノックスが唸るような手応えで加速する。それはシンボリクリスエスディープインパクトオルフェーヴル、数多の名馬が有馬記念で魅せた破壊的なパフォーマンスの予兆。そしてもう1頭。内枠でずっと我慢していたボルドグフーシュ@福永祐一がスムーズに進路を確保すると、ロベルト系の真骨頂とも言える非根幹距離小回りレースでの捲りで追撃を開始。そこには想定外のレース展開で内枠から後手後手に回って詰まる「いっくん」の姿はなく、キングヘイローでのダービーの騎乗を酷評した田原成貴に「今の姿には理想の騎手である父・福永洋一の姿を重ねることもある」とまで言わせるほどに研鑽に研鑽を重ねて辿り着いた「名手・福永祐一」の姿があった。

直線に入ると既にレースの大勢は決まっていた。ハンドライドで軽々と外から突き抜けるイクイノックスを追うボルドグフーシュ。しかしその差は詰まることなく坂上で右鞭一発、圧倒的な強さでイクイノックスが師走の中山でグランプリ制覇を成し遂げた。2着はそのままボルドグルーシュ、3着には内からばらけた馬群から伸びたジェラルディーナ。内枠を利して流れ込んだイズジョーノキセキが4着。昨年の覇者エフフォーリアは体調不良で疑問視される状況ながらも、5着に粘りこんだ。また枠順と体調に泣いたタイトルホルダーは9着に終わった。

勝ったイクイノックスは大事に大事に使われた6戦目での有馬記念制覇。そのパフォーマンスは過去の名馬に勝るとも劣らない内容。入線後も元気すぎてルメールが手綱を放せなかったというエピソードが、ハイタッチをしにいった福永からレース後に明かされているほど、その能力は計り知れない。まだまだ上がり目の見込める臨戦過程と遅咲きだったキタサンブラック産駒という血統もあって、来年はこの馬を軸に競馬が回るのは間違いない。2000m〜2400mあたりで崩れる姿は想像できず、まず春の目標はドバイシーマクラシックとなるか。タイトルホルダーが惨敗、今回のレースでも復調し切れていなかったように凱旋門賞を使うべきかは悩ましいところ。ポテンシャル的には通用するのは間違いないが、近年の凱旋門賞の結果を考えると、これほどの名馬を「凱旋門賞というコンテンツに消費」してよいかということは、正直部外者から簡単には言えないところであろう。来年の天皇賞秋・ジャパンカップでドウデュースと万全な体調で対決して欲しいという思いもある。とはいえ、血統表に目をやればトニービンダンシングブレーヴが目につくわけで、ロンシャンで走る姿が見たくないと言えば嘘になるわけで……。陣営の判断を見守りたい。ちなみに血統で言うと、父キタサンブラック、母父キングヘイローと2022年のG1勝ち馬の中で一番のウマ娘血統だったことは付記しておく。

2着のボルドグフーシュはやはり未完成の馬体とあって、スタートでついていけずに完璧な競馬とはいかなかったが、見事なリカバリグラスワンダーから受け継ぐグランプリ血統の凄みを魅せてくれた。こちらも本格化は来年であることが見込まれ、来年の天皇賞春の有力候補であることは間違いない。福永祐一がその背にいないことに一抹の寂しさはあるが、菊花賞馬へのリベンジに期待したい。3着ジェラルディーナはまさかの出遅れもあった中での3着。牡馬相手でも通用するところを見せつけた。2200から2500がベストというところで、こちらは宝塚記念エリザベス女王杯連覇が最大の目標となるか。4着イズジョーノキセキは岩田康の枠を生かした好騎乗が生んだ好走。5着エフフォーリアはレース前の関係者コメント、当日の気配を考えれば、健闘と言っていい5着。とはいえ、ピークの出来とは言えない内容で、精神面での復調も微妙なところ。来年も現役を続行するなら難しい一年になりそうだ。タイトルホルダーはとにかく体調がイマイチだったのであろう。スタート後も、3コーナー過ぎも体が動いていかないような走り。枠の不利もあってどうにも誤魔化すことも出来ず、自分の競馬に持ち込むことができなかった。凱旋門賞制覇が日本競馬のエンドコンテンツであることは間違いないが、今日のメンバーにドウデュースがいなかったことも含めて、その挑戦の代償は大きい。凱旋門賞に挑むこと自体を否定する気持ちにはなりたくないが、早く決着をつけて、日本競馬第一部を完結させたい想いが更に強くなる凡走となってしまった。

最後に2022年の有馬記念、及び競馬を取り巻く空気含めたとりとめない書き留めを少々。コロナ禍も多少落ち着いたこともあり、今年は久々の一口の口取りを含めて、競馬場で競馬を楽しむことが出来た。そこで感じたのはやはり競馬場の客層が一気に若返って、華やかになってきたということ。まさか令和の時代に、昭和の競馬ファンのような感想を持つことになるのは想像も出来なかったが、Gallopの某コラムによれば、競馬場の来場平均年齢が50代から30代に若返ったという記載もあったのだから間違いない。これはコロナ禍を奇貨とした競馬場入場ルールの変更、JRA及び関係者のコロナ禍も競馬を止めないという強い継続に向けた努力もあることながら、やはり「ウマ娘ブーム」の存在に言及しないわけには行かないであろう。ハイセイコーオグリキャップダビスタ、それ以来のビッグウェーブは、競馬界が欲しくても欲しくても手に入らなかった社会現象であることは間違いないわけで、他のエンタメ業界も羨むブームと言えよう。実際有馬記念週には、当たり前のように今まで競馬に興味がなかったような層の日常に競馬が馴染んでいることが観測された。声優が当たり前のように予想を公開し、過去の名馬に携わった関係者の偉業に改めてスポットが当たる。まさか「グラスワンダー」が令和の時代に通用するワードになるとは想像できなかった状況である。

もちろん「ウマ娘ブーム」に歪な部分があるのは事実ではある。特にプロジェクト初期の振る舞いや、自分にとって思い入れのある名馬に対する「解釈違い」については、なかなか全てを受け入れるというのは難しい。ただ2022年、有馬記念週の各種マスコミの取り扱いにおいて、過去の名馬の関係者が「再度知ってもらえることの価値」を喜んでいる姿というのは、とても素晴らしい光景であった。また「解釈違い」も競馬の持つ物語の強度ゆえに起きる事象ではある。言い古されたことであるが、新規の流入が止まったエンタメは死を待つのみである。ましてや「賭博」という要素が切っても切れない競馬にとって「世間様に認められることの価値」は他のエンタメ以上に大事な要素である。そう考えると既存競馬ファンの「ウマ娘」に対する揶揄は、個人的には「てめーの解釈違いで競馬を殺す気か」の一言で捨て置けばよいと思っている。もちろんこのブームを生かすも殺すも競馬ファンだけの話だけではない。給付金問題にせよ、イクイノックスの調教師のパワハラ問題にせよ、せっかくの名馬を関わる人の闇によって貶めるのは、非常に勿体ない話であるし、関係者及びJRAへ厳しい目線を向けるのを忘れたくはないところである。とまあ色々思いはありつつも、総体的には全ての競馬ファンと関係者、JRAの努力がこのブームを生み出し、2022年に最高の競馬環境を呼び込んでくれたことの感慨を感じながらの有馬記念だったなという感想で締めたい。

最後に宣伝。そんな令和の競馬ブームの震源ウマ娘ジャンルで頒布される蒼山サグ先生の同人誌に寄稿しました。

今回は2022年G1勝ち馬ウマ娘風レビューと、牧場見学マナー4コマのネーム。その他イラスト系のアイデアだしで参加しています。2022年登場ウマ娘完全網羅の史実年表や、各種エッセイなど、どのコンテンツも読ませる内容となっているおり、ウマ娘を切り口に実際の競馬の面白さを語り尽くす一冊となっています。是非コミケに参加される方は手に取っていただけると幸いです。通販もあると思いますので、よろしくお願いします。

【第72回安田記念回顧】絶対王者なきマイル路線で展開と馬場を味方についてソングラインがリベンジ成功

グランアレグリアが引退し、新世代の戦いに突入した今年のマイル戦線。1番人気は個人的には意外だったイルーシヴパンサー。確かに4連勝の勢いはあったが前走はG3東京新聞杯。下位条件のワンターン(半周)の競馬は割とスローペースになりがちで、ガチのマイル路線とは求められる資質がズレることが多い。厳しい流れでの巡航性と末脚の持続性を求められるG1でいきなりの一番人気は意外だった。2番人気は前年のNHKマイルカップの覇者シュネルマイスター。本来であれば断然の人気でもおかしくない実績ではあるが、ドバイの失速と調教、当日の気配で嫌われた形で人気を落とした。3番人気はファインルージュ。東京新聞杯ヴィクトリアマイルの連続好走。若干距離適性は安田記念に求められる資質より長めとも思われたか武豊効果もあってか3番人気。以下ソングライン、セリフォスと続いた。馬券は◎ダノンザキッド。本来安田記念は激流の中での持続性を問われがちなことは先述の通り。とはいえ今年は逃げ馬不在ということもあって、前に行ける中距離馬でも勝負になるのではないかというのが予想時の見解。以下、例年よりも長めの馬が来ると見込んで、○ファインルージュ。操縦性を重視してソングライン。逃げ残りを警戒してレシステンシア。ジャスタウェイ丼を予防にカテドラルまでで勝負。

レースはレシステンシアが注文通りの好スタートを切るも内からホウオウアマゾンがハナを主張。ダノンザキッドも前々の競馬。芝に転戦したカフェファラオも先行して、外からはサリオス、その後ろからソングライン。外からセリフォスに圧をかけられる形でシュネルマイスター。1番人気のイルーシヴパンサーは最後方からの競馬となって、前半の4ハロンが46.7を通過する形となった。スローペースでぎっちりした競馬となったままで4コーナーを回って直線。ダノンザキッドが外に進路を取って積極的に上がっていく。いったんは抜けだしかけるが外から一気にソングライン、サリオス、セリフォスが伸びてくる。その内を突いてシュネルマイスターが上がってくるも、サリオスを外から交わしたソングラインが押し切ったところがゴール。シュネルマイスターは惜しくも2着で、サンデーRのワンツー。ソングラインにとっては1年前のNHKマイルカップのリベンジで嬉しいG1初勝利となった。

振り返れば今年の安田記念はほぼ向こう正面で隊列が決まったタイミングで各馬の有利不利が決まってしまった印象。直線では馬場の真ん中より外、恐らくダノンザキッドが最初に獲ったコースが伸びるギリギリラインのトラックバイアス。レース前からそのことがわかっていただけに、外枠各馬もあえて向こう正面からポジションを譲ることはなかった。そのためスローの団子となった時点で内枠から中団で先行できなかった勢は不利な展開。特に向こう正面でサリオスの後ろを獲れたソングラインは文句なしの位置取り。一方で前走ドバイターフを使って、体調にも不安が残っていたシュネルマイスターは積極的に前進することができずに、セリフォスから外から押し込まれる形で、ソングラインの後ろに収まってしまった。それ以上外に出すわけにもいかず直線では前が開くのを待つ形となったのは痛かった。一方でソングラインはサリオスを目標に極めてスムーズな競馬で鞍上池添も会心の競馬。最後シュネルマイスターもよく詰めたが、今回は枠も体調も含めて、ソングラインが勝つべくして勝った競馬となったといえよう。見事な勝利であった。秋はBCも視野に入れるとのこと。ここまでどハマりする競馬が秋も待っていることは確約できないことから、海外に活路を求めるというのも1つの判断で楽しみ。

2着のシュネルマイスターはドバイ帰りでかなり体調に不安を抱えた状態での出走。道中も後手後手に回る競馬となりながらも2着。このまま立ち直れば秋には再度マイル王者として君臨できる可能性は高い。今回は例年の安田記念よりもスローの流れとなって、どちらかというと中距離質の競馬となった点は予想通り。この流れを32.9で差し込めるならドバイの負けは体調面とみてもよいところで、秋は天皇賞秋からの始動に期待したい。3着サリオスは外から積極的な競馬で見事な復活の走り。とはいえ、実力的には上位2頭が上。世代レベル的にもしばらくは4歳世代が中心となりそうで5歳は辛い。4着セリフォスはダイワメジャーには向かない流れに思えたが、しっかり最後まで伸びて、実力は出し切った。とはいえ斤量差もあり、秋以降に積み上げがあるタイプとは思えないため、人気になるようなら下げたいところ。5着ファインルージュは何より枠。こちらは上位勢にどこかでリベンジの機会がありそう。◎のダノンザキッドは6着まで。中距離質の流れを読んだところまでは悪くなかったと思ったが、シンプルにこのレベルで戦うにはスピードが足りなかったか。どこかで復活できそうだが、条件は限定されそう。イルーシヴパンサーは想像通りの競馬で8着。これまで自分で競馬を作った経験もなく、ワンターンの競馬で末脚だけで勝負してきたのならこれが限界だろう。このローテーションを選択した理由はあるのだろうが、G1を勝つには圧倒的に経験が足りない。先週のダービーとの対比するのは酷かもしれないが、鞍上田辺はスポットでは良い競馬をすることがあるが、継続騎乗でピーク目指して馬を作るレースができないのが、最大の欠点。今回もそれがモロに出たように思える。

流れとトラックバイアスにハマった馬が勝ちきったという印象の今年の安田記念絶対王者なき後のマイル路線の軸は決まらなかったものの、臨戦過程に不安のある馬が多かった割には、好レースとなった印象で秋が楽しみとなる1戦であった。