【第55回神戸新聞杯】条件の変わったトライアルは菊に繋がるのか
今年から外回りの阪神2400mとなり、菊花賞により直結するように考えられる神戸新聞杯。実際、例は少ないもの改修後の阪神2400mはダンスインザダーク産駒を筆頭に、サンデーサイレンス系の独壇場。こうなれば夏の上がり馬を含め、長距離向きの馬が台頭すると期待されるわけだが、勝ったのは2歳チャンピオンのドリームジャーニーだった。2歳から走り続けた戦歴だけをみれば、一瞬不思議な感覚にとらわれるが、血統からみればステイゴールド*メジロマックイーン。ここを勝つのは不思議でもなんともなく、研ぎ澄まされた軽い馬体といい、血統といい、菊花賞で悪いわけがないと思うのも仕方がないことで、余程のことがない限り一番人気だろう。ただ気になるのは鮮やかに勝ちすぎたというところ。直線一気は見事というしかないのであるが、もともと使える脚が短い馬だけに、今週絶好調の武豊が能力を出し切ってしまったともいえる。ラップをみてもラストの1ハロンはグっと時計がかかって12.4。逃げた1頭を除けば平均ペース、その割には直線入り口では馬群が詰まっていたこと、ラスト2ハロン目、3ハロン目が速すぎることをあわせると、京都の坂を下ってのダラっとした加速からの末脚は信用しがたい。
むしろ京都の坂があいそうなのは2着アサクサキングス。今回も自分の能力を出し切っての好走ではあるが、たぶん本番ではそれほどマークもきつくならないだろう。自分のペースで競馬をすれば異様にしぶといリファール系。横山典を乗せれば完璧であろうが、四位もどちらかといえば同じタイプ。今回の走りでドリームジャーニーにプレッシャーがかかる展開になれば、逃げ切りも可能と考える。3着ヴィクトリーは大人な競馬とはいえ、まだまだ力んだ走り。潜在能力という点ではピカイチだろうが、京都の3000mとなると疑問符。ただとにかくうまく前半宥めて、坂の下りから一気に仕掛ける競馬をできるのであれば勝機も。とにかく自分から動く競馬をしないと勝てないだろう。マックイーンの血を継ぐ4着ホクトスルタンも悪くない競馬。こちらも同型馬の出方次第であるが、鞍上が怖い怖い横山典。必要以上に後ろに負荷がかかる競馬になれば、上位進出も。メジロマックイーン*サンデーサイレンス*リアルシャダイ*ノーザンテースト*シーホークのファンシミン系。萌える血統でいえばこの馬が一番だろうw
◆レース後のコメント
◇1着ドリームジャーニー
※武豊騎手 折り合いがポイントでしたが、春のレースでは待機策に徹していただけあって、道中は後方につける形で落ち着いて走ってくれました。直線へ向いてゴーサインを出してからの反応は抜群でしたからね。3000mが適したタイプとはいえないだけに、菊花賞では距離克服が課題になりますが、2400mでこれだけの末脚を使えたのは収穫だったと思いますよ。
◇2着アサクサキングス
※四位騎手 インフルエンザで帰厩が遅れた影響がありながら、しっかりと仕上げてくれたね。ダービー2着の底力を見せてくれたし、次が本当に楽しみになるレース内容だったよ。
◇3着ヴィクトリー
※岩田騎手 今日は久々だったし、返し馬でも落ち着かせるように工夫していたんだけどね。普段の稽古から長目を乗り込めば、次はもっと良くなってくるだろうから。