BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

ファンにはいらない、しゃかりきシンジケート

パラダイス種牡馬。殿下にトラックバックをいただいたので続きを。

松田国師の場合、ファンに見せることよりも馬主に対してまずはアウトプットを提供し、種牡馬としてハクをつけて牧場に返す、というのが大きいのではないかと。NHKマイルへの拘りなんても、そういう文脈で考えられるように思われ。

個人的にはこれは逆の印象を抱いてたりする。というのも松田国師は確かに常日頃種牡馬としての価値ということに対して言及しているのだけれども、それと同じくらいファンに対しても他の調教師より情報を公開したり、アピールをしたりしていると思う。そんな松田国師が強い馬を預かったときにまず最初に考えることが「とにかくレースで強いパフォーマンスを魅せたい」なのではないかと。種牡馬価値という意味でもそうであるし、ファンに対してのアピールとしてもそうである。その結果が「常に100%の状態でレースを挑む」「マイルCからダービーを連覇」という管理方法に繋がってしまい、結果として競争生命を縮めるということになっていると僕は邪推したくなってしまうのである。だから僕としては松田国師が「強い馬の強い競馬を」という考えを持っていることには肯定的であるし、藤沢師の馬の使い方に比べたら全然面白いと感じているのだが、3頭屈腱炎を出した現在としてはやはり「強い馬に常に強い競馬を」見せようとする松田国師の現在の管理方法はやりすぎであったり、最後のひとさじの使い方が下手すぎるのではないかという思いを禁じえないのである。ファンは確かに強い馬を見たいのかもしれないが、それに固執するあまりトライアルから仕上げをしすぎることもなにのかなと。ただこの考え自体も色々あって

今の贅沢なファンは、競走馬の強さにある程度慣れてしまってる節があるだろうから、競走馬を「名馬」としてプロデュースするには、「強さ」だけでは足りないことが多く、馬主や調教師は「強い馬」を作るだけでは競馬の歴史を作ることは難しいのだろう。伊藤雄二師なんかはそういう意味でのプロデュース能力には(当たり外れはあるけど)長けてると思う印象で、やはりそれが苦手な部類に松田国師は入ってしまいそうでもある。

という意見もあるわけだから今後松田国師は「常に強いパフォーマンスでファンを魅了する馬」ではなくて、僕の好きなグラスワンダーのような「多少のポカはあっても、長く現役を続けていざというときに馬鹿力を出す馬」というのを今後目指してみるのもファンにとっては面白いのかもしれない。G1で強ければシンジケート評価もそこまで下がらないだろうし。すれ違いはすれ違いでも殿下と違って、そこらへんに松田国師との温度差感じしまうなと思う次第である。