春の実績馬フサイチジャンクと桜花賞馬キストゥヘヴンの参戦が注目されたセントライト記念。メイショウサムソンに待ったをかける馬の台頭が望まれたところであったが、道中馬群が一団だったために、3コーナーでは落馬が発生するほどの有利不利が発生するレースとなってしまった。勝ったのは外国人騎手イネスが乗るトーセンシャナオー。前走は500万下を2着と夏はいいところを見せられなかった同馬が、若葉S、プリンシパルS3着の実力を出し切っての勝利となった。が、先ほど述べたように恵まれた面が大きい勝利。ノーザンテースト*トウショウボーイと重ねられた母系はいかにも中距離向き。菊花賞の伏兵というには正直厳しいだろう。スムーズに先行できれば今後平坦中距離で穴を空けて来そうだというG1には関係ないコメントしか浮かばない。
2着トウショウシロッコは京成杯2着、前走は準オープンで0.2秒差の2着と実績的にこのメンバーでは威張れる存在。後方待機一辺倒だった春から今夏前にいけるようになったことが、成長であり、有利不利の大きかったこのレースに生きてきたともいえる。ただこちらも中距離向きのイメージの血統。スタミナが問われる最近の菊花賞ではツライところだ。3着ミストラルクルーズは内での競馬。直線だけで最後いい脚を使ってきた。ラストとまったのは休み明けの分。4ヶ月ぶりでここまで走れるところを見ると、菊花賞でスムーズに流れに乗れるようなら、馬券圏内に絡んでくることを多少考えたほうがいいかもしれない。
個人的に菊花賞の穴馬として期待していたテンシノゴールドが惜しい4着。落馬で外を回った分届かなかった。ステイゴールド*サドラーズウェルズだけに淀の舞台でその姿を見たかった・・・。5着キストゥヘヴンは掛かりながらも最後よく伸びてきている。牝馬相手に戻れば無視できない存在。6着フサイチジャンクは出遅れ、さらに勝負どころでの落馬で馬が一瞬怯んだことが大きい。そこから詰めてはいるだけに、休み明けとしてはこんなものか。今日のメンバーで菊花賞で買うなら、この馬ということになるだろう。
◆レース後のコメント
◇1着トーセンシャナオー
※イネス騎手:体重が大幅に減っていたのでどうかと思っていたが、レースでは道中はずっといい手応えで進めた。そしてラスト800mのところからタイミング良く追い出すことができたので、その時に勝てるかと思った。次の菊花賞では距離が延びるが、今日でもゴール板を過ぎてからもグイグイ行く気を見せていたので、その点は問題ないだろう。夢がかなって日本で騎乗できて、しかもその初勝利がグレードレース、本当に嬉しい。
◇2着トウショウシロッコ
※吉田豊騎手 スタートに気をつけていたんですが、今日もうまく出てくれました。折り合いに不安はないから好位で流れに乗れました。直線もうまく内を捌けましたからね。右回りだと手前を替えてくれなくてもうひと伸びできなかったんですが、距離が延びて良さが出てきたし、本番でも楽しみはあります
◇3着ミストラルクルーズ
※藤田騎手 春に乗っていた時は使い詰めでゴツゴツしていたが、ひと息入れてそのあたりがとても良くなっていたね。おとなしくて素直だった。内のゴチャつくところにいたけど、最後はいい脚を使ってくれた。今日は地力で3着まできたね。次の菊花賞でも折り合いはつくので距離は大丈夫そうだよ。