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【宝塚記念回顧】意味があったとすれば、ロンシャンへの多少の期待感

圧倒的なパフォーマンスで、現時点での国内にいる古馬との決着を済ませた天皇賞から2ヶ月。日本国内における「興行のため」以上の価値が見出せないままに宝塚記念に出走してきたディープインパクト。勝って当たり前というある意味期待感も何もないレースになるところであったが、道悪競馬となったことで「見ている側に海外遠征への期待感」を持たせることには成功したとはいえるかもしれない。

すでに国内G1をただ勝つということに価値を見出せないレベルに達したディープインパクトにとって、いったん仕上げた天皇賞からもう一度体調を、しかも凱旋門賞を見つめて整えること(しかも年によっては暑さも敵となる)というリスクを背負ってまで宝塚記念にでる必要はなかったはずである。しかし日本競馬そのものを背負ってしまったディープインパクトは例え勝負付けのついたメンバーが相手であろうと「使おうと思えば使える国内G1レース」をスキップすることは許されなくなってしまっていた。見ている側としては、とにかく無事に回ってくることだけが唯一の焦点ではあったが、道悪競馬になったことで「海外の時計のかかる馬場でディープインパクトはどう走るのか」という不安を少し解消したレースになった。

道悪により前残りの馬場となっていたがために、レースは当初想定された以上に縦長の展開となった。ラップを見ても12.8 - 11.3 - 12.1 - 11.9 - 12.1 - 12.7 - 12.4 - 11.9 - 11.3 - 12.3 - 12.2とそれなりに速い流れになったといっていいだろう。この流れ、前残りの馬場をいつも通りに後方で脚を溜めて、3コーナー過ぎから勝って動いたディープはわかってはいたが強いというしかない。なかでも管理人が注目したいのが最後の1ハロンまで加速し続けたことだ。

ディープインパクトが最強馬と言われる理由は彼が切れ味だけの馬ではなく、驚異的なスタミナを持ってることにある。一瞬で他馬を置いていく空を飛ぶような瞬発力。皐月賞菊花賞天皇賞で見せた驚異的な末脚の持続力。極上の瞬発力と底抜けのスタミナ。本来併せもつことが難しいこの2つを持ってることが、ディープは近代競馬の結晶とも呼ばれる由縁であろう。ただこれまでのレースで見せてきたスピード、スタミナはあくまでディープの能力を最大限に発揮できる軽い馬場で発揮されたものであった(一応阪神大賞典見せてるけど、向かい風&ステップのためラスト13.6かかってる)。ディープに向いてるとはいえない欧州の深い馬場でこの能力を発揮できるのかという不安は解消しきれないこれまでの戦績であったのだ。しかし宝塚記念で、ある程度締まったラップを3コーナーから動いて、それなりのフォームで最後まで伸び続けたことは海外に向けての良いパフォーマンスになったと思える。これなら海外で1ヶ月調整すれば凱旋門賞にも十分対応できるのではないかという期待を持つことができそうである。タイキシャトル安田記念を思わせるような期待感を高める海外壮行戦であった。

まーそんなことはファンからの印象で、陣営としては使わないで凱旋門賞に集中したかったんだろうなとは思うけどね。