BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第145回天皇賞(春)回顧】三冠の価値とカウンターG1としての天皇賞春

久々です。超リハビリ回顧というわけで思いつき程度にモサモサと。

勝ったビートブラックは強気強気で見事競馬。あとで書くが一番人気が後方からの競馬を示唆した以上、内枠&前で受ける馬で勝負したいところだったが、個人的にはすっかりナムラクレセントに目が行ってしまっていた。前半ゴールデンハインドを前に立てての追走。残り1000mからは強気にペースをあげて、最後まで見事後続に影も踏ませぬ押し切り勝ち。馬場状態などを鑑みてもこれしかないという競馬を見事に演じきった石橋脩はお見事。初年度から腕は買われていたイケメンジョッキーのG1制覇は嬉しい限り。馬券的には前述のナムラや前で勝負できるトーセンジョーダンに食指が動きがちで、買いづらいところであったが、せめてヒモにでも入れておけるくらいの馬券センスは磨きたいところ(反省

2着のトーセンジョーダンは去年の夏以降大崩れなし。どんなペースでも対応できて、展開に左右されないところが大きな魅力。ジャンポケの割には機動性が高く、キレという点では一歩劣るところもあり、勝ちきるのは条件が揃わないと難しいが、今後も馬券から外すのは難しい馬になりそう。3着ウインバリアシオンはちょっとレースが後手後手となった上にオルフェーヴルを意識しすぎたか。力は出し切っており、宝塚記念でも大崩れはしないだろう。

一方11着に負けたオルフェーヴル。端的に言えば、陣営のミス、騎手のミス、全てが重なった結果であろう。まず調教師サイドから言えば、阪神大賞典後に少し陣営が考えるのを辞めてしまった印象。とにかく回ってこれるようにということだけを第一義に折り合いをつけることだけしか考えられなくなって、目の前に迫っているのがG1だということを忘れてしまったのではないだろうか。ディープインパクトのときにも、夏に札幌で折り合いを仕込んだ結果、神戸新聞杯では行く気を見せなくなってしまって陣営を焦らせたという経験があったわけで、いくら逸走がこわいといえど、殿下の指摘にもあるが「ツノを矯める」ように馬を作ってしまった陣営の罪は重い。レース内容に触れると、こちらもMahmoud氏の分析にもあるように、そもそもこんなペースで後方で届くと思ってるの?というところ。まあ結局「好位を取りながらキチンと折り合いをつける」スキルが日本人騎手に圧倒的に不足しているという事実を改めて突きつけられただけどもいえるわけだが。しかしこういうペースになることもある程度想定は出来たわけで、それを引っ張るだけ引っ張って馬の後ろで格好だけつけたあげく、絶対間に合わない位置取りから、みっともない競馬を見せておいて、「本来のデキなら捲れた」とか言っちゃう関係者も競馬マスコミもみんなパトロールビデオ見ながらストップウォッチを一万回押し続ける刑になればいいのに。

さらにレース後コメントでは騎手も調教師も揃って「馬場が硬かったのが」などという発言に怒りを通り越してあきれてしまうところ。三冠馬はチャンピオンであり、どんな展開、どんな馬場でも勝負できるからこその三冠馬ではあるはず。結局、3歳限定戦なら折り合い勝負の末脚ゲーで勝てて、歴戦の古馬相手に歯が立たなかったと自白しているのに等しいわけで何とも情けない発言。そもそも去年の菊花賞も十分高速馬場だっただろうに。自力で勝てる馬に育てられず、そう乗れなかった自らのミスを外部要因に求めるのはチャンピオンの陣営の発言ではない。確かに昨今の天皇賞春は先にも書いたとおり3歳限定戦とは違った適性を求められるのは事実。ある意味皐月賞・ダービー・菊花賞の違い以上に天皇賞春は求められる能力も展開も変わってくる。だがだからこそ王道を進んだ馬がそこを勝つことに意義があるわけで、それを受けて立ったディープインパクトはどれだけ素晴らしいか、てかそれくらい出来ないで何が凱旋門賞なのかと問い詰めたい。その覚悟がないならば中距離路線に専念すればいいわけで。例え馬場に原因があったとしても、それを口に出すのは引退後にするくらいの覚悟はして欲しいところ。今回はレース前、レースそのもの、レース後全てのおいて、一競馬ファンとしてはガックリする三冠馬陣営のていたらくだった。とはいえ、もちろん馬には罪はない。とにかく折り合い重視の調教、無茶なレース展開で走る気力にダメージがないことを祈りたい。願わくば無事に凱旋門の舞台に立てるように。

最後にひとつ、これまた周知の事実だが、レースは掲示板を全てトニービンを持つ馬が占める展開。現在の高速ステイヤーにはトニービンの血が必須というところは改めて覚えておきたいところだ。