BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【菊花賞回顧】岩田の好騎乗とバルクの底力に拍手

【菊花賞】(京都)〜伏兵デルタブルースが菊花賞を制す

京都11Rの菊花賞(芝3000m)は8番人気のデルタブルース岩田康誠騎手)が直線早め先頭から押し切った。勝ちタイムは3分5秒7。

コスモバルクがどうなるか。ある意味それが全てであった第65回菊花賞。4着。しかしよく見れば今までの中央挑戦の中で一番内容の濃いレースとなった。レースのラップは12.8 - 11.9 - 11.3 - 12.4 - 12.0 - 11.9 - 13.3 - 12.8 - 12.8 - 12.9 - 13.5 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 12.3。なんと7ハロン目から11ハロン目の中間にしっかり息をいれているのである。これがセントライト記念で同じ暴走した馬かと思うほど緩急のついたラップ。単騎で自分のスピードとペースで走れば他馬を寄せ付けない。まさに母父トウショウボーイの再来と言える走りであった。惜しむらくはスタートと3コーナー。最初に押さえるしぐさを見せずに逃げに徹し、3コーナー手前でペースを落とさず一気に後続を離せば逃げ切りも充分可能であったと思われる。ただこれはあくまで結果論。今までろくに京都の長丁場の経験のない五十嵐騎手にこれを要求するのは酷というものであろう。もし責められるとすればクラシックを勝つことに拘り過ぎたがために好位差しという自分の理想を押し付けた結果、コスモバルクの本当の走りを見抜けなかった岡田総帥か。しかしこれも全て後からだから言えることかもしれない。クラシックで勝つことはできなかった。しかし今回コスモバルクは今後に向けて大きな経験を積んだ。このような競馬が出来れば必ずや中央のG1を勝つ日がくるであろう。

勝ったのはデルタブルース。去年に続いてダンスインザダーク産駒の連覇である。個人的にも月曜から高い評価を与えていたが大外枠を引いたことで消してしまったことが悔やまれる。岩田騎手の見事な騎乗。これほどの騎乗が出来るなら枠順など関係なかった。先行して3コーナーで一気に坂を使って仕掛けたのは作戦通りだった様子。菊花賞の今一番正しい乗り方「ゆっくり上って、一気に下る」を体現した完璧な騎乗だといえよう。もちろんそれに応えた馬も立派。力をつけている。ただ買い時は今後も悩まされそうだ。

ホオキパウェーブが2着。スローからミドルからのロングスパートレースでは最後に脚を溜めた実力馬が突っ込んでくることが往々にしてある。特に横山典騎手はそれが多い。この乗り方確かに力が多少劣っていても上位に入ることは出来るのだが頭まで変わることはほとんどなく結局勝つのは早めに仕掛けた馬になりがちだ。今後もこういうレース展開になったらチェックが必要だろう。3着は◎オペラシチー。向こう正面過ぎてからの乗り方は完璧に近かったが如何せん最初に下げすぎた。もう少し中団でレースを進められれば勝つ可能性もあったと思うのだが・・・。5着○ストラタジェムは予想通りの好走。ただこちらも後方から過ぎた。もっと積極的にのって欲しかったところだ。▲スズカマンボハーツクライはやはり上がりの競馬にならないと厳しい。狙えるとしたら天皇賞秋くらいになりそうだ。

全体的に読みどおりにレースは進んだが岩田騎手を過小評価しすぎたのが馬券の敗因か。さすが天才とまで言われる騎手である。今後中央に移籍した暁には頼れる存在となりそうだ。