BrainSquall

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【第136回天皇賞(秋)】JCへの布石を兼ねての軽い回顧

マイルCSが終わってしまった手前、後出しになるのでJCを念頭にメモ程度に回顧。

レース直後から話題のコスモバルクの行儀の悪い走りは、改めてパトロールビデオをみても正直酷い。やはりあれだけ直線外に寄れて、常習犯では五十嵐騎手をフォローするのは難しいだろう。ただアンカツ等や南関東の地方騎手とは違い、普段は中央では全く乗れない中で、G1で結果を出すことを求められ続けたことが、彼の中央での騎乗技術のレベルアップを妨げともなった一面があるともいえ、地方所属のまま中央G1に挑み続けたコスモバルクという物語は、馬にとっても騎手にとってもベストな話ではなかったという思いを抱いてしまった。

さて今週のマイルCSの結果は、この不利を受けた馬が上位入線。天皇賞秋において、各馬が力を出し切れなかったからこそ、ことメイショウサムソンの圧勝を評価するかということがJCへの課題である。しかしここでサムソンの圧勝の要因は「武豊コスモバルクへの対応」と「中距離重賞らしい、淀みない流れからの直線での底力も問われるレースとなったこと」と考えるべきだろう。なお、ここでいう底力とは「直線でトップスピードを維持できる能力」であり、さらにいえば「馬体、筋肉の質から導き出されるフィジカル的な面」と「他馬と競り合いになったときにも怯むことなく走り続けることが出来るメンタル的な面」での両方の意味を含み「直線でトップスピードを維持できる能力」である。去年とのラップを比べてみると以下のとおりだ。

06年:12.8-11.3-11.3-11.4-12.0-12.1-12.3-11.9-11.2-12.5(1.58.8)

07年:12.9-11.5-11.7-11.6-11.9-11.9-11.9-11.5-11.4-12.1(1.58.4)

並べてみるとわかるとおり、06年は前半落ち着かなかった分、道中ペースが落ちて上がり3ハロンが速くなるマイルに近い流れになっている。ダイワメジャーが勝ったのも納得がいく。大して07年はレース全体の流れが比較的速いまま終始し、さらに直線ではある程度瞬発力を問われながらも、ラストまで踏ん張れるレベルの高い中距離レースらしい厳しい流れになっている。さらに去年は良馬場、今年は稍重。端的に言えばラスト1ハロンの0.4秒差、レースタイムの0.4秒差がそのまま去年と今年のレースレベルの差といってもいいだろう。このような流れを先行して勝ちきったメイショウサムソンは他馬の不利を差し引いたとしても芝2000〜2400における相当に強い内容での勝ち方をしている。他馬の不利があったため後味の悪いレースとなったが、ことメイショウサムソンに関しては今年のG1レースの中でも1,2を争うG1らしい高レベルのレースとなったといえる。幸いにも今年のJCには現在の欧州最強馬といってよいディラントーマスが来日した。メイショウサムソンでの走り、ディラントーマスの走り、無事に出られればウォッカに、ドリームパスポートインティライミと今年のJCは非常に楽しみな一戦となったことは間違いない。

◆レース後のコメント

◇1着メイショウサムソン

武豊騎手 内枠だったし、ある程度の位置で競馬をしようと思っていました。前半はいい形で運べたし、向正面で馬は落ち着いてくれました。4角の手応えも良かったので、他は気にせずにこの馬の競馬をさせました。当然、強いのは分かっていましたが、自分が乗って改めて実感しました。こういう馬に乗せて頂いて関係者には感謝しています。日本では既にトップホースですが、もっと強くしたいですね。

◇2着アグネスアーク

※吉田隼騎手 直線で馬と馬の間にスッと入って行った時に寄られてしまい、完全に手応えがなくなりましたからね。そこまでの手応えはこの前よりも良かったんですよ。そこから追って追って何とか2着しましたが、スムーズだったらもっといい勝負になっていたと思います。馬場が乾いてきたので道悪もこなしてくれましたが、やはりパンパンの良馬場の方がいいですね。

◇3着カンパニー

※福永騎手 休み明けだったけど、いい感じに仕上がっていたし、道中もいいところにつけられた。でも、直線でこれからという時に前をカットされて立て直して外に出すロスが痛かった。勝つところはなかったかも知れないけど、まともなら2着はあったはず。ゴール前で失速気味だったので距離が短くなるマイルCSは楽しみだけど、G?にしては後味の悪いレースになってしまった。