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【阪神牝馬S回顧】社台の結晶が見事なラストラン

このレースを引退レースとしていたアドマイヤグルーヴが圧勝で見事ならラストランを決めた。3コーナーから早めのスパートを決めた姿を見ていると、同じ舞台でちぐはぐな競馬を見せた桜花賞が思い出され、あのお転婆娘がよくぞここまでなどといった感慨を抱いてしまった。

それにしてもアドマイヤグルーヴという馬は血統を見ているだけで社台の歴史が濃縮に詰まった馬と言えよう。ガーサント、ノーザンテーストトニービン、そしてサンデーサイレンスと連なる血統表には、常にチャンスはすべて拾うとしてきた社台のあくなき向上心とチャレンジ精神が溢れ出ている。そしてまた生産については常にベストトゥベストを意識してきた社台の方針が明確に刻み込まれている。確かにエリートすぎて、メジャーすぎてツマラナイという意見もあるかもしれない。だが突然変異が起きないと言われる牝系を30年にも渡って育て上げたということは、当たり前ではあるが社台の今の隆盛がただ種牡馬を当てたという偶然に頼ったものではないということを物語っている。毎年数多くの血統を眺めていると、なんでこんな種牡馬挟んでしまったんだろうという血を持っている馬も多い。一度それをやってしまうと牝系は多くの場合枝が止まってしまう。意図的な配合を感じさせる名門トウショウ牧場の最近の活躍などを考えると、やはり常に生産者は予言者ではならないという言葉が重みを持って響いてくる。「近代日本競馬の結晶」という言葉は今年の菊花賞での実況フレーズであるが、日本競馬の歴史が常に社台の歴史とリンクしてきたことを考えると、アドマイヤグルーヴにこそ「日本近代競馬の結晶」という言葉がふさわしいのかもしれない。

人気であったラインクラフトはハナに立つ競馬になったのが誤算。直線は後続に一気に来られたこともあって馬が戸惑ったような走りだった。秋4戦目の疲れもあったのかもしれない。マイネサマンサレクレドールは有力馬が早め早めに動いて前がかりの競馬になったのがよかった。