BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【宝塚記念回顧】地方の革命児は宝塚の破壊者に

【宝塚記念】(阪神)〜女帝誕生!スイープトウショウが春のグランプリを制す

阪神11Rの第46回宝塚記念(3歳上GI・芝2200)は、4歳牝馬の11番人気スイープトウショウ池添謙一騎手)が強豪牡馬をまとめて差し切り優勝、04年秋華賞以来となるGI2勝目をマークした。勝ちタイム2分11秒5。

前掛かりの競馬で先行馬総崩れ。差し馬どうしで見事に決まった今年の宝塚記念。まずレース全体のラップを見てみると12.9 - 11.1 - 11.2 - 12.3 - 12.4 - 11.8 - 12.0 - 11.7 - 12.1 - 11.8 - 12.2。殿下も書いているが、6ハロン目の11.8がタップダンスシチーの最大の誤算だろう。ペースが落ち着きかけた5ハロン目で前に出たのは去年と同じ。しかし誤算だったのはそこからコスモバルクが更に加速してしまったこと。本来であれば緩→急→緩→急というイメージで乗りたかったはずが、6ハロン目から更に加速させられたことになっては最後沈むのも仕方ない。そこで6ハロン過ぎでじっとして、7ハロン目で仕掛けなおせばという考えもあるだろうが、一旦加速した馬が周りのプレッシャーをはねのけてペースを維持するのは酷というもの。テツゾーの乗り方にけちを付けるわけにもいかない。

それにしてもコスモバルクの壊れっぷりには哀しさをおぼえた。もともと折り合いに難がある馬ではあったが無理に馬を陣営の理想に近づけようとした結果が、完全にブレーキの効かない破壊者に。最初から折り合いというデメリットには目を瞑って、どんなペースでいっても長くいい脚を使えるという長所を生かす逃げ馬としての道を進んでいれば・・・と思わざるを得ない。去年のJCでもイメージが抜けないだろうが、あれはやはり弱い逃げ馬と乗りに乗ってたルメールの絶妙な手綱さばきが生み出した奇跡的なものであって、少なくとも地方所属で地方騎手というテーマを崩せないならば逃げ馬という選択をとるべきだったのではないだろうか。

一方2強の一角ゼンノロブロイは情けない姿ををまた晒してしまった。確かに4コーナーでバルクに進路を塞がれたことはあったが、このような阪神2200の全体的に厳しい流れの競馬はやはり本質的に向いていないのか。ただ去年の有馬での好走を考えると、ペース云々よりとにかくスムーズな競馬ができないとダメなタイプといったほうが正しいのかもしれない。そこらへんは母父マイニングの淡白さとも思える。まあ一応日本で最上位の力の持ち主であることは確かだし、海外遠征はいってもらいたい。

勝ったスイープトウショウエンドスウィープというよりはもう完全にダンシングブレーヴというイメージで捉えたほうがいいだろう。ミスプロもこれだけ繁栄すると、色々でるだろうとは思うがココに来ての充実振りには恐れ入る。もともとアメリカでビュンビュン飛ばして最後まで頑張る競馬で繁栄してきた血統だけに、うまく他の血統とあわさればその心肺機能が長くいい脚を使えるほうに作用するのかも。とはいえ嵌ったとはいえ牝馬でこれだけの競馬をできたのはこの馬のポテンシャルがヒシアマゾンエアグルーヴレベルにあることの証明。歴史的名牝への道を歩んでもおかしくない。これまでマトモに調教できてなかったことはやはりこの馬の力を出しきることを不可能にしていたのだろう。逆にそれだからこそ、ここにきての伸び白が生まれたとも言えるが。

2着ハーツクライはもう芸術的な2get。道中死んだふりをして最後にかける競馬はどうしても中団から勝ちきれる底力のある馬には勝てない。どんなに壊れたレースであっても必ずその流れが上手く嵌る中団くらいで競馬する馬がいるからだ。2着取るには最高の乗り方なんだろうが。最近四位もよく見せる競馬だ。一方自分から動いたリンカーンは案の定最後止まってしまった。この馬も非根幹距離で最後終いかける競馬をすれば2getできる系の馬。勝ちに行った結果ということだろうが、この馬の限界を明らかにしてしまった感じではある。5着サンライズペガサスアンカツだったら違っただろう。ヨシトミ→松永幹という最悪な騎手選択をしてしまった調教師に責任の一端があるとおもわざるをえない。シルクフェイマスは相手が弱くなればまた変わる。

しかしハーツクライリンカーンが2get争い。ロブロイはうまくいけば2着。ダメなら3着というイメージはあっていたのだが・・・。