面白い。地球の夜空から星空が消えてしまうという非常にSF的なマクロな設定が、徐々にイーガンお得意のテクノロジー社会におけるアイデンティティとはという問題に「量子力学」というツールを使ってアクロバティックに結びついていく。もちろん丹念に描かれたナノテク、遺伝子操作、ネットが縦横無尽に広がるサイバーパンクな世界観は健在で攻殻機動隊などが好きな人はもうたまらないだろう。祈りの海より伏線は多いが、万物理論のような作者独自のSF理論がでてくるわけではないので、とっつきやすいといえよう。とりあえず勉強に集中できるようなモッドを脳にいれたいよ、僕は(謎