BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

「天気の子」を見たよ

75点くらいの気持ちで見に行ったら85点。もう新海誠は巨匠です。以下ネタバレ含む感想。


yuta0210.hatenablog.com
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前作の想定以上の素晴らしさと、公開直前に起きた悲劇的なニュース。「今の気分」を切り取った映画を見るには、ハードルの上がった状況ではあったが、それでもなお本作は今見るべき作品ではあったし、恐らく30年後に「あの頃の時代と東京」を感じるためにもう一度見たくなるであろう作品であった。もう「君の名は。」はフロックではない。今作においても新海誠は「自分の描きたい欲望と大衆エンタメとしての完成度」を見事に調和してみせた。間違いなく巨匠の道を歩み始めてるなと言うことを知らしめる作品だったなというのが正直な感想。

  • えげつないほどの描写、シナリオ、リズム、伏線の張り方、キャラ造形は前作同様安定。むしろ安定しすぎて、iPhoneのアップデートかというくらい。「君の名は。」の次回作としては完璧と言ってよいと感じたが、次回作は捻りに行って欲しいなという想いも。次はiPhone買いに行ったら、HomePod買わされてたくらいでもいいぞ。
  • とはいえ、前作では「新海誠総集編!」でもあったわけで。今作でも核になる「描きたいこと」をブレずに違う味付けと仕上げで作り上げたのだから、純粋に凄いなと。「唯一無二の女の子といつか出会える妄想は忘れずに、それでも大人になりたいよね!」というアラフォー間近のセカイ系を親しんだオタクはチョロいので肯定しまくりです。やっぱさー、「ちゃんとした大人」が出てくる作品じゃないともう楽しめないのよ。ねえ細田守さん?
  • 一般向けという目線ではボーイミーツガールものとしてはより王道に寄せた作品ではあるが、セカイ系としての純度は結末も含めて前作より上がった印象。それでもセカイからの接続が抑制的であり、それでいてどこまで真っ直ぐな少年少女を描くところは「真面目な時代」を切り取っているということで、ちゃんと進化してるんだなと感じさせられた。
  • とにかく前作を見たどの層に対してもスパイスを効かせながら、満足させる作品に仕上げてきたのだから恐れ入ったというしかない。「君の名は。」の衝撃と比べると秀作感はあるが、なんというか資金力に余裕のあるビッグクラブのフロントが優秀だったら、これくらい強くなっちゃうよねみたいな感想。サービスシーンもこなれてるし、スポンサーも「今」を切り取る有効なツールにしちゃうんだから、ホント巨匠感あるよね。

地元の親父のフランス料理店が、銀座に移転したけど、ちゃんとあの頃の味と気持ちも忘れずに、それでいて銀座で食べるコース料理を出してきたなみたいな「天気の子」。ドラクエ3のあとにドラクエ4が出てきたみたいな感じなので、次は唐突にドラクエ9とか出して欲しいです。まあでもみんな見に行って損は無いと思いますよ。