BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第59回有馬記念回顧】女傑復活も有力馬の駄騎乗で消化不良のグランプリに

枠順を見たファンは人気馬に不安を感じ、レースがスタンド前正面の時点では何人のファンが「あ、エピファネイアのレースだ」と思ったことか。しかし隊列が最後の直線に入ったとき、なぜかジェンティルドンナ復活のレースとなっていた。それは凱旋門賞と同様に二人の日本人騎手の駄騎乗が生み出した光景でもあり、勝ち馬の父がディープインパクトということも相まって、実に2014年を象徴した有馬記念であったといえよう。

史上初の選定された出走馬の関係者が希望する枠順を選んでいく形となった、今年の有馬記念。抽選会の結果、有馬記念向きと思える有力馬が外に飛ばされ、内に悩ましい実力馬が入る興味深い枠順となった。ゲートが開くとジェンティルドンナが好スタートも、注文通りヴィルシーナが先頭に。ここで実は好スタートを決めていたジャスタウェイは何故か位置取りを下げていく、ここでゴールドシップの前をスッと取れていたならば勝ち馬はジャスタウェイだったであろう。しかしあっという間に馬群の後ろに下げていく福永祐一。この時点で今年世界一のレーティングを獲得した名馬のラストランは「負けてなお強し」という言葉で彩られる凡走となることが確定してしまった。

一方、少し掛かりながらも好位置をキープできたのはエピファネイア。最初の4コーナーを回ったところで逃げ馬の後ろにつけたのはファインプレーだった。少し離れてジェンティルドンナトーセンラーは狙ったように好位のポケットを確保。ゴールドシップは行く気をみせたものの、好位の後ろ。そのまま隊列は決まってしまい、ペースは上がらないまま縦長の隊列で向こう正面に。あまり早めに動きたくないジェンティルドンナが3番手で蓋をしている時点で、エピファネイアにとっては完全にジャパンカップの再現が見込める展開となった。しかし問題はここからあと。斬れ味ではディープインパクト産駒にかなわないエピファネイアは3コーナー過ぎレースを動かしていくべきだった。しかし川田は動かない。折り合いを欠くことを恐れたのか、鞍上で勝った気で夢でも見ていたのかはわからないが、その10秒間にも満たない無策の刻はエピファネイアから勝利の女神が離れるには十分な時間であった。

最初に動いたのはゴールドシップ。しかしそれをきっかけにレースは動き、後続は無理することなく差を詰める。せっかくあったエピファネイアのアドバンテージは0となり、4コーナーではエピファネイアジェンティルドンナの差は1馬身。ここからのヨーイドンでは当然ディープインパクト産駒に勝てるわけはない。結果として、牝馬三冠をジャパンカップ連覇の女傑の見事な復活劇が中山競馬場に完成した。

もちろん勝ったジェンティルドンナは賞賛に値する。ジャパンカップ以降、調教、枠順抽選からの流れを含めて、勝てるための最善の手を打ち、リーディングジョッキー戸崎の競馬も見事なモノであった。これでG1は7勝目。名牝という枠を越えた名馬のラストレースは調教師がレース後に語ったようにベストレースと言っても過言でないパフォーマンスではあった。2着トゥザワールド有馬記念血統ぶりも見事であった。3着ゴールドシップ凱旋門賞帰りとしてはそれなりの競馬。あえて言うならばレース後鞍上が語ったようにもう少し強気に位置取りも、仕掛けもしたかったところではあるが、わかっても乗れなかったのであれば仕方なかったのであろう。しかしレースを台無しにしただけでなく、レース後のコメントまでファンを逆撫でするこの2人は何なのであろうか。

4着 ジャスタウェイ(福永騎手)
「改めてすごい馬だと思いました。ゴールドシップの後ろにいましたが、勝負どころで離されてしまいました。直線でエンジンが掛かったのですが、届きませんでした。この馬の競走生活に関われたことはこれからの財産になります。感謝しています」

5着 エピファネイア(川田騎手)
「よく我慢してくれました。ペースも良かったですし、しっかり動けていたと思います。結果が伴わなかったことは申し訳ないです」

自分たちがどういうレースをしたのか全く自覚がない。凱旋門賞の負けから何一つ学んでいないのであろうか。このようなコメントしか出来ないジョッキーが乗鞍を集めているようでは、日本競馬のレベルアップは到底望めるものではない。テン乗りだったというエクスキューズがつくとはいえ川田が、スミヨンのスーパー騎乗を引き継いで、一皮剥けるチャンスを逃してしまったのは非常に残念だが、福永祐一、お前は何なんだ。自分が日本競馬の財産をこの程度で終わらせてしまった戦犯だという自覚はないのか。レースもコメントもどれをとっても、三流以下であるし、客を呼べる馬を台無しにしたということを理解していないことに怒りを覚えてしまう。

かように不完全燃焼どころか、不満ばかりが募る有馬記念で終わった2014年の中央競馬だが、来年の光明といえばデムーロルメールが通年乗ることで、少しは締まったレースが見られるのではないかという期待だ。願わくば一年後に2015年を象徴するような素晴らしい有馬記念であらんことを。

まあ自分の出資馬に乗って勝てば掌クルーするけどね。