BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

おおかみこどもの雨と雪観たよ

時かけ大好き、サマーウォーズイマイチな僕がおおかみこどもの雨と雪観てきましたよっと。端的に言えばサマーウォーズを警戒して75点かと予測したら76点くらいだった。でももう時かけの奇跡は戻ってこないんだなって感じ。以下ネタバレでゲソ。













まず映像美とか演出は素晴らしい。キャラクターが動いてるのずっと見てるだけ楽しくなる映画を作れるのはやはり希有な才能なんだなと。そういう意味で値段分はキッチリ期待に応えた作品だとは思う。少なくともサマーウォーズが受けいられるヒトは十分楽しめるし感動できるのではないかと。

ただ時かけのときは「恋愛」というどこまでも二人の世界で完結しても許される題材だったから許されたし効果的だった描き方が、サマーウォーズ同様気持ち悪さに繋がってることは否定できない。奨学金までもらった苦学生が簡単に身ごもっちゃうとことか、田舎の人が都会人あっさり受け入れちゃうとことか、児童相談所の人が悪者ちっくなとことか、描きたい世界を完璧にしようとするあまりに、それ以外の世界の要素を異物と排除しちゃう感じが受け入れられない。確かにその世界だけ観れば映像と演出と相まって美しすぎるほどの美しいのだけど、それが許されるのは2者間で完結する恋愛モノだけなんあじゃないかなと。これだったらまだ剥き出しなセカイ系作品のがまだ優しい気がする。まあ僕が血縁も地縁も嫌いで、ネットに流れるカケラを集めて生きていたいヒトだからなのかもしれないけど。逆にそういうネットのカケラで紡いだ世界の作品作られたらイチコロになってしまうのかもだけど。

あとはまあサマーウォーズあたりもそうなんだけどキャラクターが死ぬ割に喪失感がないんだよね。世界を綺麗に見せるための喪失感をちょっと安直に描きすぎなんじゃないかなあと。確かにそれでも巧さで魅せてしまうのだけど、もっとそこを捻れば秀作で終わらないと思うという期待が捨てきれない。邪推すれば細田監督が満足してしまってコンプレックスなくなってきてしまってるのかもしれない。もっと制限があったほうが良いモノが作れるような気もする。勝手な言い分ではあるが。というわけでサマーウォーズよりは楽しめたけど、時かけは越えられないなーという感じでした。予想通りではあったけど…。