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BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第56回有馬記念回顧】オルフェーヴルの強さが目立つも後味の悪さの残るグランプリ

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レース前の見立て

本命はオルフェーヴル三冠馬に敬意を払ってということもあるが、何より今回は一番人気とは思えないほど想定される展開が一番楽。積極的な逃げ馬がいないことから、先手を取るのはアーネストリートーセンジョーダン。となると当然前半はスローとなるだろう。ここで注目したいのはブエナビスタヴィクトワールピサブエナビスタは内枠を引いた&秋2戦の流れから出して行かざるを得ない。ヴィクトワールピサはスローの瞬発力勝負にしたくない。となると残り6ハロン〜5ハロンから急流の後半持続力勝負となることが想定される。もちろんアーネストリーヴィクトワールピサあたりは望むところなのだろうが、慣れない逃げと体調不良に加えて早めのプレッシャーでは、どうしても最後の最後で甘くなることが想定される。よって3コーナー過ぎから隊列がばらけて、捲りやすくなるオルフェーヴルにとっては願ってもない展開となるであろう。斤量差、JCでのウインバリアシオンの走りから考えても、ここは三冠馬の力を見せつける展開となりそう。対抗はブエナビスタ。JCでの走りは見事の一言。一番勝ちたかったG1を獲れたこと、ここが引退という緩さはあるだろうが、とはいえまだ秋3走目。パフォーマンスが落ちてるとも思えず、そう外した走りはしないと考える。単穴にアーネストリー。本来宗教的にはこの馬から入るべきところだが、逃げ馬がいないこと、外枠、プレッシャーがかかりそうな展開がネガティブ要素。はまれば頭まであるのだろうが。以下、ヒルノダムールトーセンジョーダンまで。G1らしいG1に期待したい

レース内容

逃げたのはポンと出たアーネストリー。続いてヴィクトワールピサ。内からブエナビスタオルフェーヴルは若干安めを売って後方からの競馬。ゆったりとした流れでホームストレッチへ。隊列変わらずアーネストリーが逃げる展開。エイシンフラッシュが好位の外。前半の1000mは63秒台。そのまま淡々とした流れで向こう正面へ。そのままなんとどの馬も動かずに3コーナー手前。ここで堂々とオルフェーヴルが進出。完全なヨーイドンの競馬で直線へ。先行したアーネストリーヴィクトワールピサが抵抗するも、この上がりでは斬れが足りない。内からエイシンフラッシュが伸びかかるも、まくり気味に上がっていったオルフェーヴルがねじ伏せるように差しきってゴールイン。見事な三冠馬のグランプリ制覇となった。

6.8-12.0-12.4-12.1-13.1-14.4-14.3-13.0-12.0-11.9-11.4-11.3-11.3。

レース分析

まず佐藤哲三はどんな競馬がしたかったのか!今まで番手からの持続力勝負をパターンとしていた馬が逃げる展開になるのを嫌がるのはわかる。相手を見ながらプレッシャーかけつつ加速するのと、自分から先頭でラップをあげるのは天と地ほど違うのだから。ヴィクトワールピサブエナビスタトーセンジョーダンがそれぞれ想像以上に体調やらなんやらの問題で手応え悪かったので、迷いが生じたのだろうということもわかる。ただこれがグランプリに挑む、自らを勝負できる騎手と自認する騎手のやる競馬か!前半のスローペースはともかく、向こう正面からの14秒台ラップには何の意思も感じられない。まさに無策。例え逃げたくなかったとしても、メンバーから逃げる展開になることは十分予想できたわけで、それを外国人騎手頼みに乗って、自らラップをあげることは出来ず、結局一番最悪の上がり勝負を選んでの惨敗。駄騎乗以外の何者でもなかった。自分の形にはめ込めたときの破壊力という点では買っているが、応用力というか、リアルタイムでのレース勘というものが僕の想定以上にないんだなということは見せつけられた感じ。もちろんアーネストリーをここまで育ててくれたことも、今年宝塚記念勝ってくれたことはグラ基地として感謝しているが、今回のレース単体でみれば、正直溜息しか出ない騎乗だった。

一方勝ったオルフェーヴル。完全に予想と逆の展開。それでも勝つのだからオルフェーヴルは強いの一言である。競走馬全体のレベル差がなくなってきた昨今で、適性に惑わされずに、どんな競馬場でも結果を残せるのだから大したもの。まごうことなき三冠馬であり、正真正銘の現役最強馬であることを見せつけた一戦であるといっていい。レースレベル自体は上記の理由からも疑問符はつくものの、操縦性、コーナリング性能、末脚の確実性どれをとっても一級品。現時点で端から見たところでの弱点というものもレースでは見られないようになっており、ここまで絶対的な安定感というのは、ディープインパクトにもなかったのではないだろうか。しばらく日本競馬で負けるシーンは思いつかず、とにかく無事に来年ロンシャンに辿り着いてくれることを祈るばかりだ。池添もオルフェーヴルを信頼した度量の座った騎乗ぶり。もともと決めうちに評価のあった騎手ではあるが、素晴らしい相棒を得て、本命馬としての乗り方を体得してるように思える。

2着のエイシンフラッシュは秋3戦目にして嫌ったら見事に好走されてしまった。残念。展開的にはこの馬の力が出せるヨーイドンの競馬がここで当たったことが大きい。ルメールも好位でキッチリ折り合ってロスのない競馬。これで負けてしまうのだから相手が強かったというしかない。今後も上がり3ハロンの競馬が見込まれる展開がくればキッチリ走ってはくるだろう。3着トゥザグローリー。ここは嵌まった感。2年連続の3着で適性が向いたのもあるだろうが、無欲に乗れたのも大きそう。5着トーセンジョーダンはもう少し積極的に乗って欲しいところだったが、掲示板を外していないのだから充実ぶりはうかがえる。ブエナビスタは7着と崩れた。もともと安定感のある馬ではあるが、キッチリ1着を獲れるのはシーズン1走くらい。前走よほど勝ちたかったことは陣営コメントからうかがえただけに、ここは引退に向けてお釣りの残る仕上げだったのかなと。

勝ったオルフェーヴルを賞賛するつもりは変わりないが、せっかくのG1でこのような珍道中を見せられてしまったのは残念な限り。正直ちゃんとしたレースが見たかったなという思いの残るグランプリとなってしまった。