BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第142回天皇賞(秋)】スミヨンの巧さとポテンシャルを出し切ったブエナビスタの貫禄の勝利

レースの特性

好位をとる先行力、そして末脚の加速力とトップスピードの持続力。芝2000mに相応しく現代的な高いレベルでのスピードとスタミナが問われるレース。スローに流れた場合は末脚の持続力が非常に問われることとなる。マイルを走れる力も重要。

レース前の見立て

能力的には春にマイルでも結果を出している1番人気ブエナビスタは文句がない。ただ調整過程に一抹の不安。鞍上乗り代わりは無駄に溜めたりしなそうでプラスだろう。2番人気アーネストリーは2000mベストもどちらかというと一昔前のスピードしか持っていないタイプ。小回りで持続力勝負に持ち込みたいタイプだけに、直線の長い東京コースは不安。3番人気シンゲンは休み明け好走の反動が気になる。馬場の回復具合によるが、雨上がりは内から乾いていく東京競馬場だけに先行力が問われる一戦。内から3頭目くらいがよさそう。あと午前からの流れをみてるとSSの血がないと厳しい。

レース回顧

ペルーサが貫禄の出遅れ。注文通りにシルポートがハナへ。とはいえ玉砕的な逃げではなくG1らしいラップを刻んで前半は59.1。人気のブエナビスタは内でじっくり脚を溜め、アーネストリーオウケンサクラキャプテントゥーレの外を、そろっと4番手。直線には入るとアーネストリーキャプテントゥーレの間がぽっかり空いたところをブエナビスタが悠然と加速。あっという間にトップスピードに入るとそのまま一気に抜け出す。アーネストリーが必死に追うも最後は外からペルーサが交わして2着。アーネストリーは3着に終わった。レースラップは12.4-11.3-11.6-11.6-12.2-12.0-12.2-11.7-11.3-11.9。59.1-59.1でまとめての王道競馬だけに柏木集保も思わず嬉れションしちゃいそうな、G1らしい結果となった。

勝ったブエナビスタは鞍上が直線何度も後ろを振り返る余裕の勝利。体調不安も何のそのの強い強い競馬。参ったとしかいいようがない。それにしても、直線残り500mからハミをふっと掛けただけで、あれだけグイグイ伸びていくのだから役者の違いもあるが、鞍上の乗りこなしも見事。もっと加速に時間がかかるタイプと見ていたが、コーナーまわったあたりから、仕掛けるまでエスコート、そしてあっという間の加速にこれぞ欧州の一流ジョッキーの技をみた感じ。一概にハミを抜いて溜めるのではなくて、上手く動かしながら折り合い付けて先行させられるから、ああいう競馬が出来るのであろう。こういう乗り方が出来る騎手が日本からも出てくれないモノか。とにかくポテンシャルを全て出し切っての牡馬混合G1の初勝利。この競馬が出来るのならばJCも有馬記念も期待大だろう。

2着ペルーサは3歳牡馬のレベルの高さを見せたが、「レースだとふざけて出遅れる」ってどんだけやる気ないんだ、コラ。上がりダントツの33.6からもわかるように、まさに天皇賞秋はベストな条件だっただけに、気性の悪さが悔やまれる。修正されての来年に期待したい。3着アーネストリーはまあ正直予想通りの3着。今の府中2000mでSSの血をもっていないのは厳しすぎる。一枚末脚の絶対値が落ちる感じ。結論から言えばもうあとは正直逃げるでもしない限りは勝ち目がないところ。あくまで好位からの競馬で勝とうとしてきた陣営としては力の差を見せつけられるショックの大きい敗戦だろう。もちろんコース形態的には有馬のがよいであろう。ただブエナビスタが今日みたいな競馬できるのであれば、今の日本競馬おいて末脚のスピードの差は絶望的にあるようにみえる。香港あたりに行った方がサクっとG1勝てそうにみえるが。うーん、あとは有馬で乗りヘグってくれればなのだけど、3歳も速いのいるしねえ。レース後のコメントでは折り合いを意識したがために、結局ブエナとリードつけて直線迎えられなかったようだが、そういう競馬で勝てると考えてたのなら、ちょっと力の差を見誤ってるかなと。まあアーネストリーみたいなタイプは東京芝2000mは難しいよ。4着オウケンサクラは予想外の好走。これくらい走れるのなら秋華賞何とかしてくれとも。まあTLでスペ基地あたりが呟いていた斤量差ってのはあるのかもしれないが。こういうキレ重視の適性が求められるコースで、牡牝の2キロ差ってのは大きそう。5着ネヴァプションはヒモに買ってたけど、かなり力付けている・・・が一流にはちょっと届かない感じ。有馬記念3着とかはありえるんじゃないかと。結果的にアーネストリーが力の差を見せつけられたのは、想定内のこととはいえグラ基地的にはやっぱりショック。とはいえ、強い馬が強い競馬をして勝つ文句なくG1らしい、芝2000mらしい力勝負の良いレースだったとは思う。