BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第44回スプリンターズS】マッチョなレースで日本馬は白旗

レースの特性

中山秋の最終週になってからは、野芝オンリーの馬場が最後までそれほど荒れてこないため、比較的タイムのでる負荷の軽い、いうなればとにかく行くだけ行ききって粘れる馬が強いレースとなった。高松宮記念が日本的なタメと斬れ味を問われる形になりがちなコース設定であるのに対して、純粋のスピード能力とトップスピードの持続性が問われる世界基準のスプリントG1と言える。

レース前の見立て

とにかく前に行って粘れる馬を買いたい。その点人気のグリーンバーディは微妙。一方のウルトラファンタジーはグリーンバーディに買った実績がありながら低評価。脚質的にもこちらのほうがスプリンターズSには向いていた。日本馬ではワンカラットが2番人気だが洋芝だからこその連勝と見たい。休み明けのキンシャサノキセキをどう捉えるか。ローレルゲレイロが逃げられればだが、イマイチ行く気がなくなってるだけにメンタル面で買いづらい。というわけで、ウルトラファンタジーが本命。

レース回顧

想定通りウルトラファンタジーがポンと飛び出ると一気に抜けた。あまりの周りのついてこなさに戸惑ったように鞍上は手綱を押さえると、そこからローレルゲレイロが先頭を伺う。ただしペースはあまり上がってこない。4コーナーで再びウルトラファンタジーが先頭を奪うと最後は内から差し込んでくるダッシャーゴーゴーを押さえ込んでのハナ差の勝利。なおダッシャゴーゴーはサンカルロの進路を邪魔したとして降着

勝ったウルトラファンタジーは見立てにも書いたが、実績的にも脚質的にも舐められすぎ。一部で体調が80%くらいと出ていたが、世界基準の秋の中山芝1200だったら、それでも日本馬よりも強いだろうという予想がバッチリだった。日本の馬はどうしてもデビュー当初は「距離を持たせる」ことを前提に馬を作ることから、結果的にスプリント路線に行ってもタメて末脚勝負という観念から抜け出せない。高松宮記念を筆頭に「日本のスプリント」の流れで競馬をしているのなら、それでもよい。ただスプリンターズSはコース設定的にもメンバー的にも世界基準。こういうレースではちょっと強い外国のスプリンターが出ただけで、馬も騎手もペースについていけなくなってしまう。如何に頭を切り換えて「スプリント」の競馬を出来る馬と騎手を探すかが重要になってくる。なおもう1頭のグリーンバーディは7着。脚質的なものもあったのだろうが、実はセントウルSが余計だったという考えも残しておきたい。長距離輸送→関西で使って中2週で中山というのは、実は直行よりも体調維持が難しいのではないかと見る。

繰り上がり2着のキンシャサノキセキは春の4連勝が伊達ではないところを見せつけた形。ただし想定以上に緩い流れであったことが、高松宮記念を勝ったタメと斬れのスプリンターである同馬にはプラスに働いた。サンカルロは勝負所での不利が響いた。ただインをつくということはそういうことでもある。4着降着ダッシャーゴーゴーは上手く内を突いたように見えたが、実際は審議、降着。末脚がG1で通用することは見せつけたし、高松宮記念は楽しみな1頭。ワンカラットは洋芝専用機だと思っていた割には頑張った。本当に力をつけていたということだろう。ローレルゲレイロは完全に走る気を無くしているメンタル面の問題。正直復活は厳しいと見る。