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【第60回朝日杯FS回顧】一足早く11年ぶりの中山に帰ってきた驚き

レース結果

第60回 朝日杯フューチュリティステークス

レース映像

レース回顧

本来今年の一番力が入る秋のG1はこの朝日杯になる予定だった。父グラスワンダーとの親子制覇、初G1制覇に向けてとにかくドキドキしながら見る予定だったわけだ。が、しかし周知の通り、この秋はグラス産駒が好調。そして嬉しい誤算でJCをスクリーンヒーローが制覇。ちょっと予想外にグラ基地としては落ち着いた心で迎えてしまったこの朝日杯。勝利で終わった、この瞬間も安心したという一言で、意外と冷静にレース回顧ができそうだ。

今回の朝日杯。セイウンワンダーにとっては、条件は問題なし、実力も問題なし。敵は自分だけという状況で迎えた初G1だった。なにしろ父も勝った中山芝1600、枠は内枠。鞍上は岩田。メンバーは比較的能力に底を見せているor条件に不安があるメンバーばかり。とにかく一頓挫あった臨戦過程だけが敵であり、そこを乗り越えれば勝利の可能性はかなり高いように見えた。

レース全体を振り返ってみよう。スタート後、ツルマルジャパンとゲットフルマークスが押さえの効かない感じレースを引っ張る。今回一番怖かったホッコータキオンが外から先行。セイウンワンダーは内でじっと我慢の競馬。前半が46.3で若干早め。ここでブレイクランアウト武豊が外から一気に動いて馬群は密集。直線に入ると先行したホッコータキオンと一足先に動いたブレイクランアウトが抜けだしかかるが、それを内ラチ沿いに切れ込みながら一気にセイウンワンダーが抜きさる。そのまま外の2頭を競り落とすと、最後外から追い込んだフィフスペトルを押さえ込んで見事な親仔制覇。枠順その他を生かしきり、自在性あるところを見せつけた勝利となったといえる。新潟2歳S以来で一頓挫あったことを思わせない落ち着きと、馬群を割れる精神力。4戦続けての上がり最速。まずは戦前の予感通り、自分に勝てばレースも勝てるということを見せつけた勝利であった。とにかく嬉しい親仔制覇。母父SSで成長力にも問題がなく、距離も母母父リアルシャダイから十分に受け継いでるはず。当然春は父の果たせなかったクラシック制覇と、スペシャルウィーク産駒の返り討ちが目標となる。

と、持ち上げておくがレースレベルはかなり物足りない。ラップを見ると12.2-10.8-11.3-12.0-12.5-12.6-11.7-12.0。ブレイクランアウトがこれ見よがしに動いただけに4ハロンから3ハロンはもっとレースの流れ自体が厳しくなってもいいはずだった。しかし2歳G1ということもあり、動きたがらない他馬。動いたもののイマイチ突き抜けきれないブレイクランアウト。この2つの要因でラップはあがらずじまい。まあブレイクランアウトはこれで勝ったらグラスワンダーだけど。まさか武豊はそれを意識したのか?とにかく外を回った組は距離損だけが響き、この流れで一番得をするはずのホッコータキオンもラストで完全に止まってしまう。これでは内ラチ沿いを抜けたセイウンワンダーが勝つのも納得だ。最後に申し訳程度に突っ込んできた2着フィフスペトルも外を回ったとはいえ、物足りない上がり。鞍上が完全に下手を打った(というかトニービン内枠の呪いに嵌った)7着シェーンヴァルトはともかく、他馬は能力は出し切ってるだけに、うーんという感じ。千両賞出走馬ピースピースを物差しにすると、勝ちきったセイウンワンダー、力を出しきれなかったシェーンヴァルトはともかく他馬はリーチザクラウン等他路線との真っ向勝負は厳しいといえよう。あとこのレースで気になったのはミッキーパンプキンの人気。スローの逃げで連勝してきた馬を朝日杯で買うとかありえない。一時とはいえ一番人気になったのも信じられないくらい。謎すぎだ。

しかしグラスワンダー産駒が秋G12勝ですか・・・。なんか盆と正月がいっぺんに来たようだよ・・・。ついでに来週も有馬と中山大障害勝って年間4勝いっちゃいましょうか!

レース後のコメント

◇1着セイウンワンダー

※岩田騎手 今回は久々だったが、スタッフがよく仕上げてくれていた。レース前にはテンションが高めだったけど、ゲートをうまく出てくれたからね。手応えが十分あったし、それに内目の馬場もそう悪くなかったので、直線ではそこに突っ込んで行った。最後はフィフスペトルに詰め寄られて危なかったが、何とか凌いでくれた。レースが上手だし、それに凄い瞬発力を持っている。凄い馬だよ。

→最後の「凄い馬だよ」がグラ基地の心をくすぐるのだ!

◇2着フィフスペトル

ルメール騎手 リラックスしていいリズムで競馬ができたので終始手応えは良かった。4角までなるべく内で我慢して、直線は外へ。いい伸びを見せてくれて、勝てると思ったんだけどね。交わせなかったのは残念だが、まだ2歳でこれから良くなるだろうから、この先まだまだチャンスがあるだろう。

→上手い競馬をしているが、抜け出せないのは能力がちょっと足らないか。あとはキンカメの成長力がどうか。

◇3着ブレイクランアウト

武豊騎手 大事に外々を回る形になってしまったね。それでも一瞬、やったかと思ったくらいだったが、結果的にちょっと動くのが早かったかも知れない。状態は良かったし、それに前走よりも馬は真面目に走ってくれた。能力的にもここを勝つだけの資格を持っている馬だと思うし、今日は惜しかったね。

→一押しが効かない分、血統的にもダートに行けば大成しそうだけどなあ。芝では隠れたギアはでてこないんじゃない?