BrainSquall

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【第9回JCD】帰ってきたカネヒキリの鮮やかな王位奪回劇

レース結果

第9回ジャパンカップダート

レース映像

レース回顧

何はともあれ賞賛すべきはカネヒキリの復活である。とにかく凄い。ふっかつと打とうとしたら、深津って出たのは、どこの僕の子猫ちゃんだ。痛快ウキウキ通りだ。クリスマスだ。いやカネヒキリにとっては痛快だろう。赤い帽子から一足早く取り返したクリスマスプレゼントなのだから。果たして戦前、誰がここまで鮮やかに王者の地位をヴァーミリアンから取り戻すと思っていただろうか。2年4ヶ月の休養というのはフィジカル的な問題以上に、競走馬のメンタルから闘争心を奪ってしまうのは十分な時間だ。科学の進歩があったにせよ、この長期休養をものともせずに、同年代のライバルと年下の挑戦者を斬って捨てたのは見事というしかない。

もちろんカネヒキリに全てが上手く働いたのは事実。阪神ダ1800で消耗戦にならなかったことは、フジキセキ産駒の彼にはバッチリの流れではあった。導いたルメールが、人気がなかったことも相まってフジキセキ得意のインからのちょい差しを見事にひきだせたのも良かった。気楽に乗れたから出来た勝利であるとは言える。ただそれでもやはりこれだけの休養を挟んでの勝利は、格別のものであり、そして鮮やかな王位奪回劇は見るものを痺れさせた。

一方、最も倒さなければならない相手@殿下執務室2.0に負けてしまったのがヴァーミリアンだ。あーこれは終わったかもしれんと思ったのが1コーナーで外国馬にぶつけられたところ。これで一気に位置取りが後方に。東京ダ2100ならともかく阪神1800mでTOPクラスが集まるレースでは、この不利は大きかった。率直にいえば、これは武豊だったらやらなかったミスだ。右回りに不慣れな外国馬がコーナーで膨れるのは、ある程度想定できる不利であり、こういうところで緻密に乗るのが武豊の真骨頂。今回ばかりは乗り替った岩田が責められるのはある程度仕方がないところだろう。もちろんその流れで僅差まで迫ったのは意地、ではある。ただやはり歴史に残り続けるのは、勝者だけ。歴史は彼をカネヒキリには勝てなかった暫定チャンピオンという位置づけとしてしまうかもしれない。救いは彼にはまだチャンスがあるということ。次のレースで彼は全てを賭けてもカネヒキリを倒さなければいけない。そしてまたそれは幸せなことである。王者の証はライバルを倒して、手に入れてこそ、さらに輝きを増すのだから。

2着メイショウトウコンからすれば、相手を絞りきって狙い澄ました末脚だっただけにトウコン、いや痛恨。シルクジャスティス有馬記念を思わせる藤田の騎乗ではあった。ただし自分から動けない馬の宿命でもあり、これが実力とも言える。3歳勢は経験不足。ダートのTOPにあがるにはまだまだ雑巾がけが足りないというところか。経験がモノをいう砂路線だけに、ここからの成長に期待したいところ。ただ王者になるべき馬はその壁を軽々と乗り越えてきたのが歴史でもある。はてさて3歳勢の明日はどっちだ?

レース後のコメント

◇1着カネヒキリ

ルメール騎手 この馬のレースは過去に何回も見ていて、初騎乗でも強さはよく分かっていた。それにG?へ向けてトレーナーもキッチリ仕上げてくれていたから、自信を持って乗ることができた。スタートを決めて先行集団から離されず追走して、直線まで余力を残して運べたのも作戦通り。抜け出してから最後は2、3着馬も迫ってきていたが、それを凌げたのは、能力は勿論、精神力の強さもあるからだろう。

→とにかく思い通りのレースを出来ていたというのが伝わってくる。そしてまた休養を挟みながら最後しのぐ精神力は見事としかいいようがないね。

◇2着メイショウトウコン

※藤田騎手 ゲートはおそらく出ないだろうと思っていたし、腹を括って自分のペースで運んだ。4角ではやったと思ったけどね。着差が着差だけに勝たせてあげたかった。悔しいね。

→ノリ的ともいえる。

◇3着ヴァーミリアン

※岩田騎手 1角でぶつけられて位置取りが悪くなってしまったのがねえ。折り合いはついたし、向正面では外へ出せたんだけど......。結果を出せず、申し訳なかった。

→端的に言えば騎乗ミスってことですよ。