ダービーである。馬インフルエンザの影響、サンデーサイレンス不在のクラシックとあって、年初から混戦が囁かれていたわけだが、重賞勝ち馬がコロコロ変わる状況、ここにきての皐月賞馬の回避と混戦ムードは変わらないままダービー前日を迎えた。現在の人気は一番人気ディープスカイ、二番人気マイネルチャールズ、三番人気サクセスブロッケン。さて今年のダービーをどう見るか。
結論から言おう。2008年の私のダービーの本命はマイネルチャールズである。
今年のダービー出馬表を眺めるとまず気になったのはその血統分布だ。アグネスタキオン産駒4頭を筆頭にしたサンデーサイレンス系、そこに割って入る勢力がロベルト系の4頭、そしてノーザンダンサー系(ここにメジロライアンが入ってくれるのは嬉しい限り)とウォーエンブレムのミスプロ系。ポストサンデーサイレンスが如実に表れている。この中でダービーを勝つべき血統は何かと考えると母父サンデーサイレンスの扱い、アグネスタキオンが東京芝2400を勝てるのか、そしてマイネルチャールズはブライアンズタイムの傑作たるかという視点がみえてくる。
2頭いる母父サンデーサイレンスは両方とも気になる存在だ。特にスマイルジャックは母系がセントクレスピン*マルゼンスキー*サンデーサイレンスと重ねられたスペシャルウィークを思わせる代重ねタニノギムレットというダービー血統。皐月賞の負けでメンタル的に楽な立場であること、騎手が桜花賞で一皮むけたであろうことはかなりの買いの呼吸だ。一方サクセスブロッケンはというと、確かに未知の魅力はあるが、遡るとDeputy Minister、母親は芝1400がベストだったことを考えると、ちょっと過剰人気感は否めない。
ではアグネスタキオン産駒の評価どうすべきか。NHKマイルカップを制覇し勢いに乗るディープスカイをはじめ、能力の高さは疑いようもない。アドマイヤコマンドに至っては前走青葉賞を勝ってるのだから何が今更東京芝2400が不安だという気もしてくる。しかしやはり不安に感じるのはロイヤルスキーから連想されるアグネスタキオン産駒のダートっぽさ、パワー型の雰囲気である。やはりあと東京芝2400のG1を勝ちきるにはキレに足りない思いは拭えない。今年のダービーで結論が出るのであろうが、現時点では頭にはしたくないというのが正直なところ。
そしてブライアンズタイム産駒のマイネルチャールズである。改めてこの馬の戦績をみると、ダービーを勝つのに十分なローテーション、経験を積んできている。折り合いに気を遣いすぎた皐月賞では苦杯をなめたが、ダービーを勝つためと考えると皐月賞の負けはプラスに働くとみていいだろう。不安はラフィアン所属というただ1点。ただラフィアンの方針とマッチするクラシック種牡馬といえば、それはブライアンズタイム産駒以外考えられない。サンデーサイレンスの最高傑作を生んだのは当然社台系、関西馬、武豊であれば、ブライアンズタイム産駒の最後の傑作がラフィアン、関東馬、若手騎手でもいいのではないだろうか。サンデーサイレンス時代が社台とともにあったのであれば、ポストサンデーサイレンス時代のはじまりはラフィアンとあってもいいではないか。
まだ、まだブライアンズタイムは終わらんよ!