- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 文庫
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前2巻がかなり微妙な出来だったがために、不安を感じていたが、ここに来てファンタジーの経済を扱うという狼と香辛料のもう一つの魅力に立ち返った8巻。ホロとロレンスの関係性自体が一区切りついただけに、ここで原点に立ち戻るというのかなりいい感じ。自分の手の届かないような大きな構図に巻き込まれていくロレンスの姿はなかなかに緊張感に満ちており、ホロという相棒、コルという弟子(ではないが)とともに、それにどう立ち向かうかという下巻が非常に楽しみとなった。ただホロとロレンスの関係が固まっただけに、あえて上下巻に分ける必要があったのかなというのところが★1個減点。分けたからには素敵なカタルシスと次巻以降への(というか狼と香辛料がハッピーエンドへの)伏線を、安易に狼に頼ることなく見せて欲しい。