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【第68回皐月賞回顧】マイネルのクラシック制覇はまだまだ遠い

またも1週遅れだが、皐月賞回顧。とにかくマイネルがクラシックを勝てない理由がよく伝わったクラシック一冠目であった。

このレース、マイネルチャールズ@松岡が勝てなかった理由は弥生賞を鮮やかに勝ちすぎてしまったことに尽きる。マイネルチャールズ弥生賞を勝ってしまったことで一番人気としての立場をはからずも獲得してしまった。今回皐月賞において非常に窮屈な競馬を強いられ、結局「展開に泣いた」結果となったことは偶然ではない。今年のクラシック路線を一番人気として突き抜けられるほどの実力馬ではないことはわかっていたにも関わらず、弥生賞で全力を出して手の内を晒してしまったことがによる必然である。皐月賞を振り返ると、スタート直後さっとブラックシェルはチャールズに被せにいった。結果チャールズは馬群に包まれ、ペースが遅いのはわかっていたにも関わらず、動けない状態となり、レース全体の流れは決まってしまった。もし弥生賞をトライアルの競馬に徹して、負けていればこのようなポジショニングになることはなかったのである。クラシック路線というものは皐月賞・ダービー・菊花賞が単独で存在しているのではなく、大きな流れの中にある。確かに今回武豊のプレッシャーの中で松岡は良く乗っているとはいえる。だが、それは皐月賞単発の話であり、クラシック全体を眺めると、大きな意味で弥生賞から続いた騎乗ミスであるといえるだろう。

ただこれは松岡を一人責める問題ではない。事細かく指示を出して、乗り代わりも辞さないという態度の陣営でトライアルの競馬に徹しろというのは、若手騎手には酷な話だ。つまりとにかく必死すぎる陣営、マイネル全体の戦略が生んだミスであるともいえ、これがマイネルがクラシック、狙ったG1を勝てない最大の要因であるともいえる。折り合いをつけるのも大事、先行できる馬に育てるのも大事なのは当然。ただこの勝つことへの拘りが抜けない限り、マイネルのクラシック勝利はまだまだ遠いものなのではないかという思いを強くしたレースとなった。

勝ったキャプテントゥーレはそのような流れの中で自らの立場を活かしきった積極的な競馬がもたらしたといえよう。マイネルチャールズブラックシェルに注目が集まる中で自分と馬を信じ切った川田のレースは見事ではあった。今後彼が一流騎手の仲間入りをするには今の松岡が直面しているような壁が立ちはだかるであろうが、期待して見守りたい。一方タケミカヅチヨシトミの騎乗はもはや名人芸の領域。ぐるっとまわってきて、ヒョイっと顔を出すこの微妙さが生んだ2着で、まあ今回のような混戦では十分考え得る結果であった。ダービーも3着くらいには来るのではないか。1着は乗り変わらないと厳しいだろう。4着レインボーペガサスは折り合いに気を遣った分攻めきれなかった4着。皐月賞を勝つ能力は十分持っていたことを見せてくれただけに予想に悔いはない。ダービーとなるとパワーに寄りすぎてるかなという印象は受けるが。ブラックシェル武豊の迷いが見えたレース。これについては次のエントリでコラムとする予定。ダービーに向けてはやはりショウンアルバに注目したい。

◆レース後のコメント

◇1着キャプテントゥーレ

※川田騎手 弥生賞の経験があったので自分の競馬をさせようと思っていました。中間にゲート練習をしていたし、他に行く馬もいなかったのでいいリズムで走れました。追い切りでは切れる脚を使うんですが、競馬ではモタモタするので早目の競馬。でも、直線では他馬の足音が聞こえなかったし、後ろも見えなかったのでターフビジョンを見る余裕がありました。それにしてもよく頑張ってくれました

◇2着タケミカヅチ

※柴田善騎手 いつもはボテッと見える馬が、今日はスッキリしていた。道中も随分といい感じで走っていたし、最後もよく伸びているんだけどね。確かにもっとペースが速ければ良かったのは確かだけど、他の馬も同じだからね。先につながるレースができた。

◇3着マイネルチャールズ

※松岡騎手 馬体は少し減っていましたが、状態は悪くありませんでした。流れが遅くても折り合いはつきましたが、もう少し速いペースで流れて欲しかったですね。今日の競馬で折り合いに不安がなくなりましたし、ダービーでまた頑張ります。