BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第52回有馬記念】時代の変遷を財布に覚えこませた有馬記念

流れは予想通りだっただけに、こういうときに当てないとなあorz

今年の有馬記念を語るには、やはり奇しくも今年と同じ蛯名騎手の勝利した01年の有馬記念を思い出さずにはいられない

6.9-12.0-12.1-12.1-12.7-13.6-13.2-12.6-11.8-11.5-11.3-11.3-12.0(01年)

6.9-11.2-11.2-12.1-12.4-13.4-13.2-12.5-11.9-12.4-12.2-11.7-12.5(07年)

ラップをみると、前半の2ハロンに関していえば、今年はチョウサンが飛ばしてるだけに速くなっているが、その後の流れはラスト4ハロンまでほぼ同じ。問題はラストから4ハロン目である。01年は有力馬が中団の前目にいたために、残り4ハロンから全体が動いて馬群が一気に圧縮し、そこから11秒台の続く厳しい流れとなった。そして一気に伸びてきたマンハッタンカフェが先行した2頭を差し切った勝利となっている。一方今年はというと、VTRをみてもラップを見ても明らかだがワンテンポ後続の仕掛けが遅れ、1000mから800m付近で一瞬馬群が伸びてしまった。結果として、そこで先行馬は一瞬息を入れることができ、最後まで脚を保たせることが可能となりマツリダゴッホが優勝という大波乱を呼んだこととなった。では01年と07年の仕掛けが変わった要因は何か。

端的に言えば一つにはメイショウサムソンが動けなかった」これに尽きるのであろう。事前に予想で述べたとおり、メイショウサムソンはレースの流れを握るほど、信頼の置ける一番人気ではなかった。去年の秋、今年の春の戦績を見ても明らかのように使い込まれるほどに着順を落としている。2〜3歳時の成長力が叩き上げというイメージが先行させたが、実際は大型馬の割に使ってよくなるタイプではないのである。「メイショウサムソンが大崩れすることはない」という心理が勝負どころでの仕掛けに影響し結果として前を残らせてしまった。さらに付け加えるとすれば、有力馬が自分でレースの流れは作れないポップロック(というかペリエ)、距離に不安があり前が同じオーナーで潰しに行きづらかったダイワメジャーテン乗りゆえに馬を信じて強気な競馬にいけなかったロックドゥカンブな点も、仕掛けが遅れた原因ともいえるのかもしれない。これがマツリダゴッホを勝たせてしまった最大の要因である。

ここからは言い訳タイム。上記のような展開は事前の予想済みであり、正直言って4コーナーで「もらった!」と思った。しかしご承知のようにウォッカは惨敗である。予想通りに唯一差し馬の有力馬の中では流れに惑わされない競馬をしたにも関わらずである。このことについても自分の心理も踏まえて言及したい。一言でいえば「ウォッカはディープインパクトでもなければ、マンハッタンカフェでもない。SS産駒ではない」という極めて当たり前かつ、普段から自分に言い聞かせていたことをまたも忘れてしまったということである。ウォッカはこれまでの走りを見ていればわかるように非常に好走スポットが狭い馬だ。「スローからミドルで流れ、かつ上がりの速い競馬となる良馬場&直線の長いコースでの中距離戦」でしか走れない馬なのである。端的に言えば、東京2400限定での名馬である。にも関わらず、ベストの舞台であるJCから、決して得意とはいえない有馬記念で着順があがるのではないかと期待してしまった。これはハッキリ駄予想というしかない。サンデーサイレンス産駒ならば適性の差を絶対能力で補ってしまう馬は当たり前のように存在した。しかし今は時代が違う。これからは平均化された能力の中でいかに舞台に適性があるかで勝負が決まる時代である。その原点を意識していれば、父親タニノギムレットが中山でのパフォーマンスを落としていたことも含め、有馬記念の相性の悪さは簡単に予想できたはずである。好きな馬といえども、絶対能力でクリアしてくれるのではないかという甘い期待を抱いてしまうようでは予想失格である。せめて▲に落とすべきだった。レース後のコメントでぶつけられてしまって云々とあったが、それも含めて能力。この本命は反省すべき点が多い予想であった。

最後に今後について踏まえて各馬への言及。勝ったマツリダゴッホは中山の非根幹距離ベストのSS産駒。今後もその条件ならば好走はするだろう。宝塚記念は向いていない。G1で買うなら来年の有馬。ダイワスカーレットは繊細さゆえに古馬の牡馬相手に自分から仕掛けての競馬ができなかったとのこと。やはり自分のペースで行ってナンボの馬だけに、混合レースで勝ちきるには難しそう。後ろがかりの競馬となれば2着までならあるのだろうが。ダイワメジャーは母父ノーザンテーストらしさ満点の名馬だった。種牡馬としてのイメージはフジキセキタイプと思われる。4着ロックドゥカンブは良く頑張った。4コーナーでまた一瞬置かれてるのが気になるが、来年が楽しみではある。狙いは宝塚記念ポップロックは今後も善戦どまりで仕方がない。メイショウサムソンは使い込むとダメなタイプ。狙うならゆっくり休んで叩き2走目くらいで次は出て欲しい。ウォッカは来年適性のあるのはヴィクトリアマイルかJC。それ以外は走れないだろう。欧州の競馬は合ってそうなので、思い切って海外遠征して欲しいものだ。好きな馬なのは変わらないだけに走れる条件で強い走りが見たい。

◆レース後のコメント

◇1着マツリダゴッホ

※「いや〜、ビックリしましたね。4コーナーでも十分手応えが残っているし、いいところはありそうと思っていましたが、まさか勝つとは…。直線は長くて長くて、ゴールを引き寄せたかったですよ。天皇賞の時とは比較にならないくらい状態がよかったですね。いいスタートが切れて、行く馬がいなければハナに行ってもいいつもりでしたが、行ってくれたので控えようと思ったらハミを噛んでしまって、なだめるのに苦労しました。内に入れられたので落ち着きましたね。馬場の悪い内をずっと走ったんですが、上手にこなしていました。今日は気楽に乗れたのもよかったですね。この馬は色々あって苦労もしましたが、本当に感謝したいですね」

◇2着ダイワスカーレット

※この馬は相手云々より自分のペース、自分のタイミングが大事な馬なんです。並んだりすると掛かる恐れがあるんですが、向正面で掛かったので他の馬と離して行くようにしました。まぁ、3歳牝馬でこれだけ頑張っているんですからよく走っているでしょう

◇3着ダイワメジャー

※妹とは同じ脚質ですし、競り合うのも嫌なのでああいう競馬になりました。馬込みでうまく競馬が出来ましたね。ジョッキーは距離面を心配して終始内にこだわったようですが、ロスなく進んで、それが最後の瞬発力につながりましたね。ただ、4コーナーで躓いていますから、それがなければもっと際どかったでしょうね