BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

クワイエトルームにようこそをみてきた

松尾スズキには「微妙な役者再生工場」という呼び名をプレゼントしたい。それくらい内田由紀が化けていた。

蒼井優が激ヤセした要因になったといわれるクワイエットルームへようこそを見てきた。松尾スズキの映画は「恋の門」が結構面白かった&クドカンだの、ツマブキだの、当然蒼井優だのと好きなヒトが出ていたので結構期待していた作品だったのだが期待を裏切らない出来。何といっても予想外に主演の内田有紀が化けている。これはもう松尾スズキの功績といってもいいかもしれない。前回は恋の門酒井若菜を素敵に料理してくれたが、今回もここまで内田有紀を料理してくれるとは。ある程度限定した空間を舞台にして、役者の地力を問う演出が化けされるのか。内田有紀筆頭に舞台と映画のハザマで非常にそれぞれの役者の個性が際立っていて素晴らしい演出。

それに原作と監督が同じなだけに絵としても、話としても映画が破綻してないのがいい。キチンと監督の脳内が具現化してる感じで、非常にみていて飽きないし、脳を刺激される。ストーリー的にも「ある日突然、精神科の閉鎖病棟に閉じ込められたバツイチライターの入院生活を描く」というある意味壊れた設定なわけだが、それを非常に生かした形。舞台での経験が生かされやすい世界だったのかもしれないが、それを生かした上でキチンと映画にしてるのだから憎いものだ。

当然ながら蒼井優もキッチリはまっている。今回の役作りのために激ヤセしただけあって、壊れそうな、それでいて内面にはドロっとした強さと怖さを持った人物を描ききっている。立ち位置的にもこの役が締まらないと映画全体がだらしなくなってしまうという役だっただけに難しいところだったが見事。亀は〜でもそうだが、助演どころで、こういうちょっと壊れた役柄を演じたときの蒼井優の理解度と表現度は相当なもの。そういう意味では舞台より映画だね、蒼井優は。