BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【第135回天皇賞(春)回顧】持久力勝負でミスプロが浮上する時代に

SSの時代が終わり、持久力勝負が戻ってきたステイヤーに必要な血。それはミスプロ系なのだ。そんな今後を見定める一戦となったのが今年の天皇賞春といっては言いすぎか。

もともと一昔前のステイヤー血統といえば欧州型と相場が決まっていた。しかし日本のSSが注入された高速レースに対応できる欧州血統はそれほど多くない。そんな中で浮上するのがアメリカ競馬のような行くだけ行って粘る競馬で鍛えられたミスプロ系である。スピードの持続力という面では決して悪くない性質。この血が(もちろん一口にミスプロ系といっても、すでに広がりすぎているのだが)入ることによって、今後の日本型ステイヤーが出来上がっていくのかもしれないと、掲示板に3頭を占めた血統表を見ながら思ったのである。とりあえずそういう観点でステイヤーレースを追ってみたい。

勝ったメイショウサムソンは見事な復活。上がりの競馬になると不安視があったが、前半から速いペースで流れた上に、デルタブルースが早めに動く消耗戦。菊花賞では摩擦が少なすぎる馬場で、直線余力を残した他馬に差をつけられてしまったが、流れがマッチした今回は見事な粘りこみ。この馬を一概に距離適性不安と談じたのは大きなミスだった。秋の走りで馬が競馬に飽きてしまっていた雰囲気だったが、転厩がピタっと嵌ったともいえる。

2着エリモエクスパイアはもともとダート長距離での活躍が目立つ父にコマンダーインチーフ。ただミスプロステイヤーにありがちなフィジカル的には距離OKも、折り合いに難があるタイプ。今回は鞍上が巧く乗ったというに尽きる。日経のインタビューでのエリモジョージを狙ったというコメントには全米が泣いた。3着トウカイトリックは競馬の下手さ加減がここでも出てしまった。流れは最高だっただけに、ズブさがいかんともしがたい。4着アイポッパーは前走が綺麗に乗れたが、サッカーボーイ産駒だけに自分のペースで走れないと力が出せないタイプ。今回はスタートからチグハグな競馬で嵌らなかった。武豊のトライアル勝ちは下げ評価パターンでもあった。デルタブルースは落鉄が原因らしいが、ダンスインザダーク産駒は天皇賞春走れない法則は謎が深まるばかりだ。

◆レース後のコメント

◇1着メイショウサムソン

石橋守騎手 厳しいゴール前になったけれど、並べば渋太いこの馬の持ち味を生かせたね。菊花賞で距離云々といわれていただけに、よりこの距離で勝ちたいと思っていた。これからも期待したい。

◇2着エリモエクスパイア

※福永騎手 やったと思ったけどね。一旦、交わしたんだけど、先頭に立ったら差し返されてしまった。相手が渋太いのは分かっていたので、体を併せないようにして、ギリギリ凌いだと思ったけど、交わされたところがゴールだった。調教の効果で、折り合いは完璧だったし、ポジションも思い通り。ベストのレースができたんだけど。

◇3着トウカイトリック

※池添騎手 前回もそうだったけど、今回もゲートの中で潜ってしまって、仕切り直しに。折り合いに心配のない馬だからいい位置を取りに行ったけど、道中の感じは良かったんだよ。ただ、直線で内を突いた時にメイショウサムソンと離れてしまったからね。手応えもあったし、併せる形になっていればもっと際どかったと思う。悔しい。