BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【エリザベス女王杯回顧】ハイペースが生んだ綾が降着を

レース前からシェルズレイが行く気をみせていただけに、力と力の勝負になると思われていた今年の女王決定戦。こうなるとカワカミとスイープの一騎打ちかと思われたが、あまりのペースの速さがレースに綾を生んでしまった。逃げるシェルズレイの前半1000mは57.4。いくらなんでもこれは速い。その結果レースの上がりは3ハロン13.0-11.5-12.0という異様なラップとなってしまった。このような数字が生まれただけに直線は前に行った馬は完全にフラフラ。確かに強い馬しか残れない流れであったが、フラフラの馬を捌くために騎手の咄嗟の判断が問われる結果に。

特に影響を受けたのはカワカミプリンセスだった。逃げるとしぶといアサヒライジングが内に寄れながらも粘っているところを内から交わすか、外から交わすか。結局内にいるヤマニンシュクルが見えなかったか、勝ちを焦ったか、あえて左鞭を使ってしまった本田騎手の判断が激しく裏目に。真横ににすっとぶように進路を変えたカワカミは力強く伸びて1位入線も12着に降着へ。パトロールビデオを見ても、正直厳しい進路取り。咄嗟の判断だけに責めるのは酷かもしれないが、4コーナーで手ごたえが悪くなるのはいつものことにもかかわらず、じっくり追い出しを我慢させられなかったあたり、馬を信じられなかったか。力は今回のメンバーでは抜けていただけに、直線焦らなかったら・・・という感はある。しかし牝馬の中では力が抜けているところは見せ付けた。

繰り上がり優勝のフサイチパンドラは徐々に走りが大人に。鞍上が完全に手に入れてきているのも大きい。どうにも切れる脚がなく、かといってあまりに急かすと気分を損ねる難しい馬だが、今日は最後スイープを抜かせなかったという成長が、このような結果を呼び込んだともいえる。スイープトウショウは去年だったら突き抜けてもおかしくない手ごたえだったが、まだ反動が残っているのか、もしくはピークが過ぎてしまったのか。この馬の力を出し切れなかったというイメージ。3着ディアデラノビアは一瞬の脚なら素晴らしいのだが、どうにも使える脚が短い。そこが勝ちきれない要因でよほど嵌らないと今後も頭は難しいかも。

◆レース後のコメント

◇1着フサイチパンドラ

※福永騎手 強い馬が集まっている中で、本当によく健闘してくれた。繰り上がりの勝利だけど、恥ずかしくない内容だったと思います。以前は抜け出すと頭を上げてしまう面があったけど、前回あたりから最後まで集中して走るようになっていたし、今日も本当にしっかりと走ってくれた。レースを覚えてきているし、これからもっといい走りを見せてくれると思います。

◇2着スイープトウショウ

※池添騎手 スタートも出て、前半からカワカミプリンセスの後ろで絶好のポジション。折り合いもスムーズだった。仕掛けてからも反応はしてくれたが、昨年ほどは弾けなかったなあ。天皇賞の時と同様、今日もレース前の雰囲気は良かったが……。


◇3着ディアデラノビア

※岩田騎手 レース前も落ち着いていました。状態は良かったですよ。いい脚がそう長続きする方ではないですし、できるだけロスのないように心掛けました。一瞬は伸びかけたんですが……。

◇12着カワカミプリンセス

※本田騎手 馬場に脚を取られたこともあるが、これからという時の反応がひと息で、フサイチパンドラについて行けず、ステッキを入れたらフラついてしまって……。