BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

ディープインパクト禁止薬物検出が教えてくれること

ディープインパクトの禁止薬物検出について改めて。前日の記事とほとんど状況は変わってはいない。改めてまとめてみると、

・問題のイプラトロピウムは気管支拡張剤。

・日本では禁止薬物ではない。

・ヨーロッパの場合、「体内に存在しない全ての物質」を禁止薬物の対象としている。

・薬自体は向こうでは一般的に調教時に使われるものであるらしい。

基本的にレース前には体内から排出される前に逆算して使うのを辞める

・ただし過去にこのような薬で代謝の関係で製薬会社のガイドラインを守っても、レースまで残って失格の例はある。

・ちなみに人間のドーピング薬物にも指定されていない。

さらに今日の時点で付け加えるとすると、

・フランスの獣医の処方の元にレース前に使用していた。(フランスギャロ)

・獣医は一週間前に辞めるように指示したと主張。(フランスギャロ)

申請さえあれば8時間前でも使用は可能(これはソース微妙)

という感じ。原因として考えられるのは、

・陣営が投薬を辞めるタイミングを誤った。

・辞めたのに予想されているよりも残存期間が長かった。

といったところか。ここで改めて書いてきたいのは陣営を庇うことは出来ないけれど、それは【現時点においては(21日16;56追記、これで故意&不正だったら泣く)】「イージーミスを引き起こしたから」であって、「不正を行おうとしたから」ではないということ。前者については、正直甘かったとしかいいようがない。陣営(これは遠征をバックアップしたJRAも含む)が日本の最強馬を異国のレースに出走させるにあたって、このようなミスをしたのは批判されてしかるべきだろう。だがこれを後者と混ぜて批判したら、見識を疑われるとしかいいようがない。イプラトロピウムを使用すること自体はフランスではルールに則った行為。日本では禁止薬物にさえ指定されていない。したがって、イプラトロピウムが検出されたことが過去のディープインパクトの競争成績に影響するなどと考えることはありえない。

つーか今日び人間のアスリートだって、喘息もちで気管支拡張剤使いながら、トップレベルで活躍してるのは常識だろう。こんなことくらい、ちょっと調べてみればわかること・・・にも関わらず、それすらも調べないで電波ゆんゆんな記事ばかりなのだから、笑うしかない。昨日理事長のコメントがありえないと更新したのも、この2点を混同させるような発言だからだ。たった一度のミスで今までの積み重ねが崩壊しかけるということをディープは教えてくれているというのに、なんでこんな不見識な・・・というような記事多すぎ。というわけで最後にディープインパクト薬物疑惑に関わる不見識記事リンクw

ディープインパクト 再挑戦が汚名そそぐ道だ毎日新聞

※まずは全国紙行ってみよう。「当代一の人気馬が薬物で汚染されていた。」から始まるお花畑記事。「海外で規制されている薬物を、日本では野放しにしている現状も直ちに改めなければなるまい。世界で最も厳格な規定に作り直すことが出直しの第一歩だ。」「ディープインパクトのオーナーはレース後の11日、今年限りでレースから引退させると電撃発表して競馬ファンを驚かせ、また落胆させた。その引退発表と、今回の薬物検出とは何か関連があるのだろうか。」あるのだろうか、じゃねーよwwwこれが社説というのだから、毎日新聞恐るべし。

日本最強馬 憂愁東京新聞

※この記事が凄いのは「だが、治療のためとはいえ、日本よりも禁止薬物に厳しいフランスでイプラトロピウムを使用したとされることに、認識の甘さがうかがえる。」と書いておいて、後半で「本紙の取材に「呼吸促進などのため故意に摂取させるドーピングに当たるかどうかは調査中だ。今のところ獣医師がディープインパクトの健康問題を解消するために使った可能性があり、ドーピングではないかもしれない」と説明した。」とか書いてる統一感のなさ。まるでザ・ワールドを食らったポルナレフの心境。

ディープインパクトに禁止薬物? なんだそりゃ

※最近電波の気配がしてたCB'S PRJECTの成沢大輔氏。やってくれましたよ。ドバイのブラスハットは2着入線ですが・・・。「世界的な反ドーピングの傾向」とか意味がわかりません。挙句の果てに「ともあれ、ますます日本競馬は劣化していると認識せずにはいられない事件だ。」なんかもう、コメントするのもバカバカしくなる気分ですね。

僕の2年間は何だったんだろうとディープが泣いているよ<うまうまライフ>

※「正直に言えば私もこの話を最初に聞いた時は、「やっぱりそうだったのか」と思ってしまいました。例えば今年の天皇賞・春など3200Mのレースでありながら、「14-14-4-1」という強引な捲りを打った上で33.5で上がってきましたし、昨年の菊花賞にしても次位のそれを1秒近く上回る33.3を記録しています。距離を考えればあまりに常識外れの内容ですし、今回の騒動を見れば「!」と思われても仕方がないでしょう。」10戦もして一回も引っかからない秘密の薬を池江厩舎は使っているらしいです。それだったら、サイレントディールあたりも、もうちょっと何とかなったんじゃない。つーか日本の公正競馬、ドーピング検査舐めすぎw 「それにも関わらずこちらはと言えば、ルールを無視した大量のレープロ強奪行為や、場の空気をわきまえない大騒ぎなどで、内外から大きな批判を浴びた上に今回の禁止薬物使用騒ぎ。フランスの伝統と誇りである凱旋門賞の場に「汚点を残した」と指摘されても、仕方のないことではないでしょうか。」関係ない。頭が痛い。

ディープインパクト禁止薬物検出・続報<競馬ステーションNEO>

※「しかしレース後に検出されなければ問題は無かったとか、当日までに体内から消えていれば問題にならなかったとか、根本的にはそういう話では無いと思うんですけどね。(※検出されなければ何でもOKという価値観は違うだろという事です)」根本的にそういう話です。これを認めないと治療薬が一切使えなくなるじゃん。

というわけで、珍しく色々とツッコミを入れてみた。結局ちょっとしたミスが、これまでの努力を無駄にする可能性があるということで、このようなミスを犯した池江厩舎も、事実誤認をさせるような不用意な発言をした理事長も、脊髄反射で調べもしないで全世界に不見識をさらした新聞記者もブロガーもみんな反省しようねというオチ。きっとBrainSquallもくだらないミスがあるので、先に反省しておきます。