春のクラシックに向けて有力馬が出走した今年の共同通信杯。結果を見れば拮抗した今年のクラシックの勢力図が見えてくるものとなった。２歳王者が２番手追走した前半１０００ｍが６１．２のスローペース。全馬余力を残しての直線になると、東スポ杯と違ってフサイチリシャールはギリギリまで追い出しを我慢。そのためレースの上がりが３４．８という瞬発力勝負となり、乗り代わりの武豊がギリギリまで追い出しを我慢したアドマイヤムーンに今回は軍配が上がった。
勝ったアドマイヤムーンは道中も楽にレースの流れに乗っての追走。直線では一瞬苦しくなるところもあったが、手ごたえが十分だったため外に持ち出すと弾けるような伸びを見せた。とにかく瞬発力は非凡。比較的末脚を削るような流れで勝ってきた同馬だが、この流れでの瞬発力、切れ味勝負で勝ちきったのはクラシックに向けて大きな手ごたえをつかむ勝利となった。今後は皐月賞に直行とのことだが、どちらかというとダービー向きといえる。
一方２着に負けたフサイチリシャールだがこちらも本番に向けてはいい試走となった。今回はプラス１８キロに加えて、鞍上が明らかに前哨戦なレースぶり。レース後のコメントにあったように、あえて１着馬と同時に仕掛けて切れ味勝負でどこまでやれるかを試した形となったが、それでもこの着差なら手ごたえは十分だろう。本番はこの馬の本来の持ち味が生かせる速いペースで後ろの末脚を削るような競馬をするはずで、皐月賞では特に怖い１頭になりそうだ。
４着ショウナンタキオンはまだ馬が緩いのもあって、とにかく溜めて溜めての形でないと末脚が発揮できない様子。脚質的には皐月賞では厳しそうで、人気薄になってダービーで突っ込んでこれるかというところであろう。これで今年のクラシックはおおまかな勢力図が見えてきた形。ＴＯＰグループがフサイチリシャール、アドマイヤムーン、そしてムーンをたんぱＳで破ったサクラメガワンダーの３頭。これに続くのがフサイチジャンク、ショウナンタキオン、そして５００万下を突破したキャプテンベガというところか。ただ上位３頭はかなり抜けて強いイメージがあるだけに久々に３強という図式の牡馬クラシックになるかもしれない。３頭とも個性的で非常に楽しみなクラシックになりそうだ。
