BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

【エプソムC回顧】荒れ馬場適性と道悪適性とダート適性

【エプソムC(GIII)】(東京)〜スズノマーチ 待望の重賞初V

東京11Rの第22回エプソムカップGIII・芝1800m)は4番人気スズノマーチ北村宏司騎手)が制した。勝ちタイムは1分46秒6(良)。

どうみてもサイレントディールが過剰人気だと思われたこのレース。Aコースの最終週の重賞、しかも1800mと長くいい脚を使える馬のスタミナ勝負になりがちなのがエプソムCの特色。サイレントディールは確かに実績的には上位ではあったが、SSが連対できないこのレースでどうしてこれだけの人気を集めたのかを考えてみたい。ここで問われるのは一つに荒れ馬場適性とダート適性と道悪適性の混同なのではないだろうか。

このサイトの予想でもうっかり芝では切れ味が足らないダート向きなだけにここでは例外に思えないこともないと紛らわしいことを書いてしまって反省しているのだが、管理人はそもそも荒れ馬場適性とダート適性というのはそのままリンクするものではないと考えている。ここで荒れ馬場とは、開催後半でボコボコになった均一な状態ではない馬場のことを指すと考えられる。ダート適性とはすなわちダート競馬に対する対応力であろう。この二つは確かにパワーが問われるというだけなら、同じかもしれないが、じっくり考えると異なる点が多い。

荒れ馬場に対する適応はすなわちボコボコの馬場でも伸びてこられるということ。つまり「蹄がコンパクトで地面を捉えることが出来る」「多少ボコボコの場所を走ってもバランスを崩されないパワーがある」「走りにくい馬場でも諦めずに走る精神力」などに依存するであろう。一方ダート適性とは「表層の砂をかきわけて地面を捉えることが出来るパワー」「砂をかけられても怯えない精神力」「無駄なく砂をかきわけることが出来るコンパクトな蹄をもつこと」などであろう。蹄の点では共通するかもしれないが求められてるものは若干違う。これは荒れ馬場適性はどちらかというと「滑らないコンパクトな蹄」「ノメっても体勢を立て直せるバランスと精神力」などが問われる道悪適性に近い気がする。

まあだらだら述べたが要するにダート適性があるからといって、イコールパワー型の切れ味勝負にならなければ台頭できるなどという甘い考えは捨てましょうという反省。一応サイレントディールは切ったのではあるが。

ということで一頭ずつ。勝った◎スズノマーチは予想通りの素晴らしい競馬。2走前に4ハロン11秒台を勝ちきった長く脚を使えるという特徴を見事に生かしきった。内もついてくれたし完璧。なのに馬券は外れたのは2着グランリーオを切ってしまったから。サニーブライアン産駒は一瞬しかいい脚を使えないという欠点があり、ここは適性からも完全に外れていると考えていたのだが脅威の粘り腰。前半いくら上手く脚を溜められたとはいえ、これは当てるのは無理だ。それだけ本格化したということだろう。3着ダイワレイダースは鞍上がよかったか。前走東京1800で勝ち鞍をあげているだけあって、このコースは得意なのかもしれない。切れないサンデーということか。5着ボーンキングには驚かされた。確かに母父サドラーがガッツリでている同馬にはこの条件はピッタリであったであろうがそれにしてもビックリ。強い。