BrainSquall

競馬ニュースを中心に、レース回顧、POG、一口についてのタワゴト。他にフロンターレとかアニメとか・・・でした。

コースの鬼!2nd Edition(城崎哲)

コースの鬼!2nd Edition(城崎哲)

評価★★★★<馬場ヲタ向け>

日本の競馬場は欧州と違い、極めて人為的にコースが作られている。特に芝は年中馬場造園課の手が入り細かく管理されている。それによりある程度一定の状態に保たれる反面、ちょっとやり方が変われば、違う競馬場のように状態は変わってしまう。本書は1年間馬場造園課の元で取材した著者が全競馬場全コースについて馬場管理の方法、現在の競馬場の馬場の状態を綿密に記したものである。これを読めば何故現在の中山が高速馬場なのか、今年のダービーの高速馬場が馬に対して悪い理由は何か、秋の阪神が時計がかかり気味になるのは必然であるなど馬場(特に芝の)一年の状態が手に取るようにわかるようになる。いわば競馬場の基本書と言える存在であろう。

ただこれを読んで馬券が当たるようになるかどうか別の話。競馬場については綿密、懇切丁寧に解説がなされているが、「じゃあどんな馬を買えばいいのか」という問いに対しては極めてオーソドックスな答えしか用意されていない。コース特徴から現れるレースの流れ(差し有利とか)などは解説されているが、それだけで馬券が当たれば苦労しない。本書はあくまで基本書として活用するべきもので、結局的中するには読者のセンスが必要であろう。もちろん基本書としては大変良く出来ており、予想のベースにするには十分足りるものである。今まで漫然と洋芝、野芝、オーバーシード馬場くらいしか気に留めていなかった人にはなかなか刺激的な本だ。特に理屈バカ、馬場ヲタにはたまらない一品なこと請け合いである。